RE100とは?加盟条件から申請方法、加盟事例まで徹底解説
- 2021年12月24日
- SDGs
RE100は「Renewable Energy(再生可能なエネルギー)100%」を意味しており、事業活動において使用する全てのエネルギーを再エネで賄い、CO2排出量削減を目標とする企業が加盟する国際的な取り組みです。この記事では、RE100に関心のある法人の皆さまが知っておくべき、RE100の加盟条件や申請方法、メリットや加盟事例、中小企業版RE Actionに関する基礎知識などについてご紹介します。
目次
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RE100に関する基本的な知識
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RE100の加盟条件や申請方法について
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RE100に加盟するメリットと加盟事例
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中小企業版RE Actionに関する基礎知識
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まとめ:RE100への理解を深め、再エネの活用に取り組もう!
1. RE100に関する基本的な知識
RE100とはどのような国際的な取り組みであり、スタートしてから参加企業はどのように推移しているのかについてご紹介します。
RE100とは再エネ100%を宣言する国際的な取り組みである
RE100は、環境問題に取り組む国際NGO団体であるThe Climate GroupとCDPの協同により2014年にスタートした国際的な取り組みです。世界で影響力のある企業が、事業活動で使用する電力を100%再エネにすることで、再エネ市場を拡大させCO2排出量を削減することを目的としています。
出典:JCLP『RE100・EP100・EV100国際企業イニシアチブについて』
RE100加盟企業数の推移
環境省によると、RE100に加盟する企業数は以下のように推移しています。
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2014年度:15社、内日本企業数0
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2015年度:56社、内日本企業数0
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2016年度:85社、内日本企業数0
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2017年度:126社、内日本企業数6
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2018年度:161社、内日本企業数17
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2019年度:228社、内日本企業数33
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2020年度:292社、内日本企業数50
日本では2017年4月に株式会社リコーが初めてRE100に加盟しており、その後加盟する企業が増加し続け、2020年度における日本の加盟企業数は、77社のアメリカに次ぐ第2位です。
2. RE100の加盟条件や申方法について
RE100は世界で影響力の大きい企業を対象としており、申請できる条件が定められています。ここでは、RE100の加盟条件と申請方法についてご紹介します。
RE100の加盟条件
RE100に加盟するには、遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネにすることが求められています。またRE100は世界で影響力が大きい大企業を対象としており、以下の何れかを1つ以上満たす必要があるなどの条件を設定しています。
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世界または国内で認知度や信頼度が高いなど影響力の大きい企業であること
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フォーチュン1000またはそれに相当する主要な多国籍企業であること
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電力消費量が100GWh(日本は50GWh)以上あること
RE100を満たすことができない自治体や中小企業には、中小企業版RE Actionへの加盟が推奨されています。
RE100の申請方法
RE100への加盟を希望する場合は、直接RE100事務局に連絡を取り、その後申し込み用紙に必要事項を記入してRE100事務局にメールで送信します。
出典:RE100『We are accelerating progress towards 100% renewable power』
3. RE100に加盟するメリットと加盟事例
RE100に加盟すると、企業はどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。ここでは、RE100に加盟する主なメリットとRE100への加盟事例についてご紹介します。
RE100に加盟するメリット
2018年6月にRE100への参加を宣言した環境省は、RE100に加盟するメリットを以下のように説明しています。
(1)気候変動による損失を防ぐ
気候変動による被害で、日本を含む世界各国の企業が経済面において甚大な被害を被ってきました。AFPによると、1978年〜1997年における経済損失が約100兆円だったのに対し、1998年〜2017年における経済損失は、約252兆円まで増加しています。
事業活動での使用電力を100%再生可能エネルギーにするというRE100の取り組みは、気候変動の主な原因であるCO2排出量削減に大きく貢献します。企業はRE100に加盟することで、気候変動による損失というリスクに備えることができます。
出典:AFP BB News『気候変動による災害の経済損失が増加、直近20年は252兆円に』(2018/10/11)
(2)安定した安価な再エネ供給
企業のRE100への加盟は、再エネの活用の重要性のアピールトという側面もあります。再エネの重要性に気づく企業が増えると、再エネ市場が拡大します。環境省によると、需要家の発信により再エネ市場が拡大し、再エネ調達価格の低下につながっています。
(3)企業のイメージが良くなる
RE100への加盟は、ESG投資を行う投資家へのアピールになります。ESG投資とは、環境や社会、ガバナンスを考慮して行われる投資です。企業経営の持続可能性や気候変動によるリスクマネジメントを重視する投資家が増えたことから、日本でもESG投資が拡大しています。
出典:経済産業省『ESG投資』
RE100の加盟事例
(1)株式会社リコー
東京都に本社を置く事務機器や光学機器などを製造するメーカーで、2017年に日本で初めてRE100に加盟しています。リコーは初期に掲げた2030年度の再エネ比率目標を30〜50%に引き上げており、海外の主要拠点に関しては、2030年度までに使用電力を100%再エネにすることを目標としています。
(2)イオン株式会社
イオンは、2018年3月にRE100に加盟したことを公表しています。2018年3月から本社で使用する電力を100%再エネに切り替えたり、再エネ100%使用店舗を作るなどCO2排出量削減に向け、積極的に取り組んでいます。
出典:イオン株式会社『「イオン炭素ビジョン2050」を策定』(2018/3/28)
4. 中小企業版RE Actionに関する基礎知識
2019年10月に、中小企業版RE100と呼ばれる日本独自の枠組みであるRE Actionが発足しました。ここでは、RE Actionとはどのようなものであるのか基本的な知識をご紹介します。
RE Actionが誕生した背景と加盟条件
RE100は大企業向けのため、中小企業は条件を満たすことができません。そこで2019年10月に誕生したのがRE Actionです。RE Actionは、日本独自の枠組みであり、JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)など4団体を協議会としています。中小企業の他に各自治体や教育機関、医療機関などを対象とし、2050年度までに使用電力を100%再エネにすることを目標に掲げています。2050年度までに使用電力を100%再エネ化することを目標にし、公表することなどがRE Actionの加盟条件です。
出典:環境省『再エネ100宣言 RE Action」へのアンバサダー参加について』(2019/10/9)
RE Action加盟数の推移と事例
2019年10月に発足したばかりのRE Actionですが、2021年6月に参加団体が150団体に達しています。RE Actionの加盟事例をご紹介します。
(1)ほけんプロジェ
栃木県に本社を置くほけんプロジェは、アスエネ株式会社から再エネ電力を調達し、県内5拠点の使用電力の再エネ100%化を達成し、保険代理店として初めてRE Actionに加盟しています。
出典:ほけんプロジェ『当社使用電力の再エネ100%化の達成 および 『再エネ100宣言 RE Action』への加盟について』(2021/6/14)
(2)大川印刷
神奈川県横浜市にある140年の歴史を持つ印刷会社です。SDGsを軸に経営しており、太陽光パネルで発電した電力を購入し、自家消費することで再エネ100%を達成しています。
出典:大川印刷『再エネ100宣言RE Actionインタビュー動画公開!』
5. まとめ:RE100への理解を深め、再エネの活用に取り組もう!
RE100に関心のある法人の皆さまが知っておくべき、RE100とRE Actionに関する基礎知識をお伝えしました。どちらも2050年度における使用電力100%再エネ化を目標とする枠組みで、同様のメリットを得ることができます。RE100への理解を深め、再エネの活用に取り組みましょう。