CDP水セキュリティとは?企業の水リスクへの対応に迫る!
- 2023年12月15日
- CO2算定
洪水や干ばつなどが世界各地で深刻化していることから、機関投資家や企業の間でCDP水セキュリティへの関心が高まっています。水リスクにどのように対応するのか目標を設定し、水の課題に取り組むことは持続可能な企業になるために欠かせません。
この記事ではCDP水セキュリティの概念や日本企業の水リスクへの対策などについてご紹介します。
目次
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CDP水セキュリティとは?
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CDP水セキュリティレポート2021から分かる企業の水リスク
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企業の水リスク取り組み事例
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まとめ:CDP水セキュリティへの理解を深め、水リスク対策に取り組もう!
1. CDP水セキュリティとは?
CDP水セキュリティに対する機関投資家の関心の高まりから、水セキュリティに取り組む企業が増えています。ここではCDP水セキュリティとはどのようなものか、CDP水セキュリティが重要視される背景についてご紹介します。
CDP水セキュリティとは?
CDP水セキュリティは、環境非営利団体CDPが主宰する、企業の水リスクに関する国際的な情報公開プログラムです。企業の水セキュリティに対する取り組みなどを評価し、CDP水セキュリティレポートにおいて情報を開示しています。最高評価となる企業は、Aリストに選定されます。Aリストの企業数が多い国順に並べると以下のようになります。
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日本 35社
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アメリカ 15社
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台湾 7社
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フランス 6社
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スイス 5社
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ドイツ 5社
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トルコ 6社
出典:CDP『CDP水セキュリティレポート 2022: 日本版』
CDP水セキュリティが重要視される背景
CDP水セキュリティが重要視される背景にあるのが、機関投資家の関心の高まりです。水リスクは事業の操業停止につながりかねない重大なリスクとして認識されており、多くの機関投資家がCDP水セキュリティプログラムに賛同し、署名しています。CDP水セキュリティレポート2021では、590の機関投資家が署名し、運用資産総額は110兆米ドルになります。
出典:CDP『CDPについて』
2. CDP水セキュリティレポート2022から分かる企業の水リスク
CDPが企業の水リスクへの関心や対策などを取りまとめたCDP水セキュリティレポートから見えてくる、日本の企業の水リスクに対する関心や目標などをご紹介します。
CDP水セキュリティレポートから見えてくる水リスクに関心のある企業はどのくらい?
CDPが公表したCDP水セキュリティレポート2021によると、企業間で水リスクへの関心が高まっていることがうかがえます。対象となる369社のうち261社(71%)がCDPからの質問に回答しており、企業間で水リスクへの関心が高まっていることが伺えます。
出典:CDP『CDP水セキュリティレポート 2022: 日本版』
企業の水リスクに対する目標
CDP水セキュリティレポート2022によると、CDPからの質問に回答した企業のうち、水に関する定量的な目標と定性的な目標の両方を設置している企業は全体の75%です。
出典:CDP『CDP水セキュリティレポート 2022: 日本版』
3. 企業の水リスク取り組み事例
Aランク企業数が世界で最も多いのが日本です。CDPからAランクに選定されている日本の企業の水リスクの取り組みについて見ていきましょう。
小野薬品工業株式会社
小野薬品工業は、大阪に本社を置く製薬会社です。2030年度に2017年度比で水資源使用量を生産数量原単位で15%削減する中期目標を設定しています。様々な取り組みにより、2019年と2020年連続で水資源使用量を削減させています。
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工場における密閉性の高い扉の導入による防虫用流水トラップの停止
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熱排水タンクの設定温度調整による冷却水の削減
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研究所における空冷チラー・全熱交換器への水噴霧停止
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水噴霧作動設定温度の変更 など
出典:小野薬品工業『水循環社会の実現に向けて | 環境 - Sustainability』
株式会社デンソー
デンソーは、愛知県に本拠を置く自動車部品メーカーです。水使用量を削減するために、以下のような取り組みを実施し水使用量を削減しています。
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水ジャストインタイムの導入
給水から排水までを一貫で管理し、必要な時に必要なだけ必要なところに水を供給することで水の使用量を削減しています。
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水の3Rの徹底
工場では多くの水を使用するため、工場での3Rを徹底しています。
○Reduce(水の使用量を減らす)
○Reuse(使い終えた水を繰り返し使う)
○Recycle(使い終えた水を処理して再使用する)
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雨水の有効利用
雨水をタンクに貯めて、空調機械の冷却水などに使用しています。
丸紅株式会社
丸紅は、東京都に本社を置く芙蓉グループの大手総合商社です。水資源の有効活用は世界的な課題であるとし、水の効率的な使用やリサイクルにより水の使用量を削減しています。国外では水が枯渇している地域に水を供給するために、上下水道コンセッション事業など様々な事業を展開しています。
4. CDP水セキュリティへの理解を深め、水リスク対策に取り組もう!
CDPが実施するCDP水セキュリティに関して法人の皆さまが知っておくべき基本的な知識や日本企業の水リスクへの取り組みなどについてご紹介しました。CDP水セキュリティとはどのようなものなのか理解を深め、目標を設定し水リスク対策に取り組みましょう!
5. CDP水セキュリティ対策・回答にはアスエネの水管理機能を!
アスエネはCDPの気候変動コンサルティング・スコアリングパートナーで初めて、水情報の入力と管理ができる機能を搭載しました。取水・排水などに加え、水の質、使用及び廃棄手法、単位量の管理ができ、CDP水セキュリティの回答にもご利用できます。
CDP回答への実績豊富なコンサルタントがフォローしますので、回答へのノウハウがない会社様にも安心してご利用いただいています。
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