ノンフロン補助金とは?メリットや補助金事例について
- 2022年09月30日
- 補助金
温室効果ガスの1つであるフロン類は、強力な温暖化作用があるため排出量が占める割合はそれほど多くはありませんが、今すぐ削減に取り組む必要があります。フロン削減を目的にノンフロン機器の導入を検討している法人の皆さまは、ノンフロン補助金の活用を検討されるのはいかがでしょうか。
国や自治体のノンフロン補助金を活用すると、機器の導入にかかるコストを削減する他にもメリットを得ることができます。この記事ではノンフロン補助金に関する基本的な知識について事例とともにご紹介します。
目次
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フロンをめぐる日本の現状
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ノンフロン補助金を活用するメリット
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ノンフロン補助金事例
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まとめ:ノンフロン補助金を賢く活用して脱炭素に取り組もう!
1. フロンをめぐる日本の現状
フロンは量が少なくても強力な温室効果ガスであるため、脱炭素を実現させるためにはフロンを削減することが欠かせません。ここでは、フロンをめぐる日本の現状として、日本の温室効果ガスの内訳やフロンを削減する理由、フロンを削減するための法改正で企業はどう変わるのかなどについてご紹介します。
日本の温室効果ガスの内訳
2019年度における日本の温室効果ガスの総排出量は12億1,300万トンで、内訳は占める割合が大きい順に、以下のようになっています。
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二酸化炭素 91.2%
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ハイドロフルオロカーボン類 4.2%
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メタン 2.5%
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一酸化二窒素 1.7%
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パーフルオロカーボン類 0.3%
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六ふっ化硫黄 0.2%
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三ふっ化窒素 0.02%
なぜフロンを削減することが重要なのか?
代替フロンであるハイドロフルオロカーボン類やパーフルオロカーボン類は、少量でも強力な温室効果ガスです。地球温暖化への影響は、二酸化炭素の数百倍から一万倍以上もあります。例えば廃棄された家庭用エアコンからフロンが漏れ出すと、約2,000kgの二酸化炭素が大気中に放出されることになります。このようにフロンは地球温暖化に大きな影響を与えるため、フロンの排出抑制や削減に取り組む必要があります。
フロン排出抑制法の改正で企業はどう変わる?
機器廃棄時のフロン回収率を向上させることを目的としてフロン排出抑制法が改正され、2020年4月1日から施行されています。フロン排出抑制法の改正に伴い、第一種特定製品を廃棄する管理者は、フロン類の回収・処理を費用を出して行うことが求められます。もしもフロン回収を怠った場合は、罰金対象になります。
出典:環境省『令和3年度改正フロン排出抑制法に関する説明会』(2022/1/17)(p.14〜17)
2. ノンフロン補助金を活用するメリット
ノンフロン機器を導入する時に補助金を活用するメリットは、費用負担の軽減だけではありません。ここではノンフロン機器を導入することで得られるメリットをご紹介します。
省エネ型ノンフロン機器の導入による省エネルギー・脱炭素の実現
補助金の対象になっているノンフロン型業務用冷凍冷蔵機器では、冷媒にフロン類ではなくアンモニアや空気、二酸化炭素、水などが使用されます。フロン類を使用するノンフロン機器と比較するとエネルギー起源二酸化炭素の排出が少ないことから脱炭素に貢献することができます。補助金の対象が省エネ型ノンフロン機器の場合は、省エネルギーにもつながります。例えば、食品小売店舗では消費電力量がコンビニで約15%、スーパーで約20%削減されます。
点検負担の軽減
フロン類を使用する業務用冷凍冷蔵機器は、整備不良や経年劣化によりフロン類が漏れてしまいます。このためフロン排出抑制法により、フロン類を使用する業務用冷凍冷蔵機器には3ヶ月に1回の簡易点検が義務付けられています。補助金の対象であるノンフロン機器を導入することで、点検にかかる負担を軽減することができます。
3. ノンフロン補助金事例
国や自治体は、フロンを削減することを目的に補助金事業を実施しています。ここでは、ノンフロン補助金の事例をご紹介します。
令和4年度省エネ型ノンフロン機器普及促進事業・東京都
東京都は、ノンフロン機器の普及を促進させることを目的に補助金事業を実施しています。補助金の対象となるのは、冷凍冷蔵倉庫または食品製造工場以外の中小事業者と個人の事業者です。対象となるノンフロン機器は、内蔵型ショーケースまたは別置型ショーケースです。本体の購入や設置などにかかる経費の3分の1が補助金として交付されます。
出典:東京都『省エネ型ノンフロン冷凍冷蔵ショーケース導入補助を開始』(2021/3/29)
ノンフロンみやぎ加速化推進事業補助金・宮城県
宮城県は、県内に事業所を置く法人または個人の事業者を対象とし、フロン類を使用しないノンフロン型業務用冷凍冷蔵機器を導入する際の費用の一部を補助金として交付しています。補助金を交付される事業者には、経費の3分の1が支払われます。
出典:宮城県『ノンフロンみやぎ加速化推進事業補助金について』(2022/4/13)
4. まとめ:ノンフロン補助金を賢く活用して脱炭素に取り組もう!
フロンは強力な温室効果ガスであることから、事業活動でフロンを使用する企業は、フロン削減に取り組むことが重要です。フロン削減に大きな効果があるのがノンフロン機器の導入です。国や自治体が実施する補助金の活用も検討しながら脱炭素に取り組みましょう!