生物由来燃料とは?CO2排出量はどのくらい?
- 2022年09月27日
- CO2算定
CO2排出量が実質ゼロであることや、循環型社会の促進、地域活性化につながるエネルギーとして注目を集めているのが生物由来燃料です。この記事では、生物由来燃料の利用に関心がある法人の皆さまが知っておくべき、生物由来燃料の概念やCO2排出量、メリットやデメリットなどについてご紹介します。
目次
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生物由来燃料とは?
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生物由来燃料を活用するメリット
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生物由来燃料を活用するデメリット
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まとめ:生物由来燃料への理解を深め、活用を検討しよう!
1. 生物由来燃料とは?
生物由来燃料とはどのような燃料なのでしょうか。ここでは、生物由来燃料の種類や活用例など、生物由来燃料について知っておくべき基本的な知識をご紹介します。
生物由来燃料とは?
生物由来燃料は動植物などの生物資源から作り出される燃料の総称で、バイオマス燃料とも呼ばれています。バイオマス燃料の原料となる生物資源は、大きく6つの系統に分類されています。
(1)木質系:林地残材、製材廃材
(2)農業・畜産・水産系:農業残渣、家畜排泄物 など
(3)建築廃材系:建築廃材
(4)食品産業系:食品加工廃棄物、水産加工残渣
(5)製紙工場系:黒液、廃材、古紙
(6)生活系:下水汚泥、産業食用油 など
出典:資源エネルギー庁『バイオマス発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー』
生物由来燃料の活用例
生物由来燃料はどのような用途で活用されているのか例を見ていきましょう。
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車の燃料としての利用
車の燃料として活用できる生物由来燃料にはバイオエタノールとバイオディーゼル燃料とがあります。バイオエタノールはとうもろこしや廃木材、バイオディーゼル燃料は廃食用油や菜種油などから製造されます。
バイオエタノール
バイオディーゼル燃料
出典:資源エネルギー庁『バイオマス燃料製造|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー』
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電気・熱としての利用
家畜飼育所などから生物資源を回収し、バイオガス化プラントでバイオガスを製造し、その後発電設備を通して電気や熱が供給されます。
出典:資源エネルギー庁『バイオマス燃料製造|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー』
2. 生物由来燃料を活用するメリット
生物由来燃料を活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは生物由来燃料を活用することで期待されるメリットについてご紹介します。
カーボンニュートラルな燃料
生物由来燃料はライフサイクルにおいてCO2を排出しますが、発電時にはCO2を排出しません。ライフサイクルにおいて排出されるCO2については、植物は生育の過程でCO2を吸収していることから、京都議定書においてカーボンニュートラルな電源であると考えられています。
出典:資源エネルギー庁『バイオマス発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー』
資源の有効活用・地域の活性化
稲ワラや林地残材、産業食用油など生物由来燃料の原料となる生物資源は、日本全国に点在しています。本来廃棄される物を燃料として活用することで、循環型社会の形成を促進します。また農村部にも雇用を生み出すことから、地域活性化にもつながります。国も生物由来燃料の普及を目的に、バイオマス産業都市の選定事業を実施しています。
出典:農林水産省『令和4年度バイオマス産業都市構想の提案を募集』(2022/6/28)
3. 生物由来燃料を活用するデメリット
生物由来燃料の普及を進める上で、解決すべきデメリット・課題がいくつかあります。ここでは生物由来燃料のデメリットについてご紹介します。
コストがかかる
生物由来燃料を作り出すバイオマス発電所は、小規模分散型が多くを占めています。小規模分散型の発電所は大規模集中型の発電所と比較すると、資源の収集や運搬、管理にコストがかかるという課題を抱えています。
出典:環境省『バイオマス発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー』
安定した供給の確保
生物由来燃料を活用する発電所は太陽光エネルギーのように天候や時間帯に影響を受けません。しかしながら有限の資源であることから、安定した供給の確保が課題です。国は安定した供給を確保するために以下のような補助金事業を実施しています。
木質バイオマス燃料等の安定的・効率的な供給・利用システム構築支援事業(農林水産省連携事業)
バイオマス発電の課題は燃料コスト削減や長期にわたる安定的な原料調達であるとし、木質バイオマス燃料などの安定的で効率的な供給と利用システムの構築と商慣行定着を目的とした支援事業を実施しています。
出典:資源エネルギー庁『木質バイオマス燃料等の安定的・効率的な供給・利用システム構築支援事業』
発電効率が悪い
バイオマス発電所は、小規模分散型が多くを占めています。コスト面においてだけでなく、発電効率も悪くなるデメリットがあります。バイオマス発電では、発電規模が小さくなるほど発電効率が低下します。発電効率が低下すると、供給される電力量が同じでも燃料使用量が増加します。たとえば、発電効率が25%から15%に低下した場合、1KWhあたりの燃料使用量は1.76kg/kWhから2.93kg/kWhに増加します。
出典:木質バイオマス発電の現状と展望(一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会)(2021/10/29)(p.12)
4. まとめ:生物由来燃料への理解を深め、活用を検討しよう!
この記事では、生物由来燃料に関して法人の皆さまが知っておくべき基本的な知識についてご紹介しました。生物由来燃料はCO2排出量が実質ゼロの脱炭素な電源です。自動車の燃料や再生可能エネルギー由来の電源として電気や熱として利用することができます。生物由来燃料への理解を深め、活用を検討しましょう!