気温上昇以外にも!?温暖化の原因と被害、企業ができることとは?

今回は、世界中で起きる環境問題の中でも特にメディアで取り沙汰されている温暖化についてです。現在世界的な問題となっており日本でも様々な取り組みを行なっております。しかし、その取り組みの達成のためには、国としてだけでは難しく、各企業が各々適切なアクションをとらなければなりません。

そのためには、正しい知識を得ることで最適解を見つけることが必要です。そのために、まずはこの記事で、基礎知識やどのようなアクションを取るべきなのかを理解しましょう。

目次

  1. 温暖化と気温上昇の関係性

  2. 温暖化での気温上昇の現状

  3. 温暖化の気温上昇で起こる弊害とは

  4. 温暖化とそれによる気温上昇への対策

  5. まとめ:企業としてできるアクションとは

1. 温暖化と気温上昇の関係性

温暖化による気温上昇とよく耳にしますが、どのような定義、内容をもってその症状に当たるのか。その部分を知ってかつ正しく理解することで、より温暖化と気温上昇について納得性を持ってこの問題に対応することができます。

地球温暖化という言葉の定義とその内容

温暖化と同意義として使用される地球温暖化ですが、気象庁によりますと平均的な気温上昇だけでなくそれによって引き起こされる様々な気候変動も含めての意味になるそうです。つまり、気温上昇によって起こされる生態系や食料に関わる変化なども含めて地球温暖化という言葉になります。

言葉自体が取り糺され始めたのは、1970年代になってからであり、1985年にオーストリアのフィラハで開催された世界会議をきっかけに、地球温暖化は大きな問題として取り上げられるようになりました。

出典:気象庁『Japan Meteorological Agency
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター『2010/07/29 1-6 いつから地球温暖化が問題とされるようになったのか』(2010年7月29日)  

温暖化による気温上昇発生の原因

それでは、その温暖化はどのような原因で起きているのでしょうか。主な原因は、人間活動による温室効果ガスの増加である可能性が極めて高いと考えられています。二酸化炭素などの温室効果ガスと呼ばれるものには、地球の熱を外に出さず表面に戻してしまう効果があります。それにより太陽熱などが内に溜まってしまうことが原因となっています。

産業革命以来、私たちは多くの二酸化炭素を排出しているため、近年まで大気中の二酸化炭素濃度が高くなっています。その結果として温暖化による気温の上昇が問題となっているのです。

出典:気象庁『Japan Meteorological Agency
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター『温暖化とは?地球温暖化の原因と予測

2. 温暖化での気温上昇の現状

温暖化は、近年騒がれ始めた訳ではなく前述の通り以前からも問題として取り上げられていました。では、今現在温暖化はどの程度の被害をもたらしているのか、数字を元とした現状を記していきます。

世界中でみた温暖化の現状は悪化である

世界的での2020年時点での気温基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+0.34℃となっています。100年あたりの割合ですと0.72℃の上昇率になっています。IPCC第5次評価報告書では、このまま何の対策も取らないと世界の平均気温は、最大4.8℃上昇、何らかの対策を講じた場合でも最大1.7℃上昇する可能性が高くなるとされています。

2018年時点では、二酸化炭素排出量のトップ3は、それぞれ、中国、アメリカ、インドとなっています。世界では、温暖化を防止するために”パリ協定”が結ばれており1.5℃の気温上昇で抑えるための運動を行なっています。

出典:気象庁『世界の年平均気温』(2021年5月19日)
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター『温暖化とは?地球温暖化の原因と予測
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター『3-1 世界の二酸化炭素排出量(2018年)

 

日本で見た場合の温暖化の現状は世界基準より進んでいる

日本での2020年時点での気温基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+0.65℃となっています。100年あたりの割合ですと1.26℃の上昇率になっています。この数字は、過去最大の上昇率となっており、世界平均より+0.31℃も高い数値となっています。

しかし日本は、北半球の中緯度に位置しており、熱帯東太平洋の海面水温が低いことと、北大西洋の海面水温が高いことにより比較的に温暖化の影響を受けやすいためこの数字になっているとも言われています。

温暖化の影響もあり、桜の早期での開花や生態系への影響も危惧されており、より一層の警戒がみられています。また熱帯夜や降水量の増加などの問題も温暖化のリストして取り上げられています。

出典:気象庁『気象庁 日本の年平均気温偏差の経年変化』(2021年5月19日)
出典:気象庁『Japan Meteorological Agency
出典:国立化学研究所『近年の北半球中高緯度における猛暑発生頻度の増加要因を解明 (お知らせ)|2014年度|国立環境研究所』(2014年7月28日)

3. 温暖化の気温上昇で起こる弊害とは

温暖化の定義で記しましたが、気温上昇とそれによって起こされる弊害も現在問題として捉えられています。ではその弊害とはどのような種類があり、こちらもどの程度の被害なのでしょうか。現在起こっている事例を基として記していきます。

気温上昇による海面上昇

まず温暖化での気温上昇で最も問題となる海面上昇についてです。海面上昇は、温暖化の弊害として初期から言われておりかつ現在でも進んでいる問題でもあります。この問題は、海面の温度上昇による膨張と、主に氷河などが気温の上昇によって融解してしまうことが原因としてなっています。現在の予想では21世紀中には最大82センチ上昇するとされています。

また、島国では高潮や満潮時での影響で道や家が水没してしまうケースが発生しており、モルジブなどでは2050年にはGDPの10%の被害が出る恐れを発表しています。また日本でも海面が1M上昇すると9割の砂浜が消滅すると言われています。
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター『2-2 海面上昇の影響について

温暖化でのその他の弊害

温暖化での弊害は、海面上昇以外にも挙げられます。まず生態系への影響です。WWFジャパンの発表によると、2835種類もの動物が現在温暖化により絶滅の危機を迎えています。

また、異常気象の増加により、作物などへも悪影響があり、それにより食料問題も発生します。このように温暖化は、1つの弊害だけでなく多くの問題が連鎖して引き起こされることになります。
出典:WWFジャパン『地球温暖化による野生生物への影響

4. 温暖化とそれによる気温上昇への対策

温暖化の弊害を防ぐために、現在国が行なっていることと企業として何をするべきなのかを記します。2015年にパリ協定が世界で発表されてから世界では、様々な温暖化対策が施行されています。

温暖化対策として国で行っていること

日本では、パリ協定を見据えて、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。そのため、各省庁や市町村では、電気自動車等のエコ製品への補助や再生エネルギー導入を進めています。具体的には、水素エンジンの量産化と市場への拡大や住宅、農業、IT、半導体のエコ化など様々な分野において細かくマイルストーンが決められています。またその他にも“ビヨンド・ゼロ”というすでに排出したCO2も削減するプランを2050年までに確立するプランを掲げています。
出典:環境省『地球温暖化対策
出典:経済産業省『温暖化対策 』(2021年1月6日)

企業として今後温暖化に対してできること

このような問題に対し企業で温暖化にできることしては、1つ適応ビジネスが挙げられます。適応ビジネスは、温暖化問題に対しての適応策をビジネスとして行うことです。

SDGsなどの環境問題に対する企業のアクションは世界基準で広まっており、今後その優先度は上がってくると思われます。既に途上国に対し適応ビジネスを行っている企業は多く存在し、国連環境計画によるとこの潜在市場規模は50兆円とも言われています。企業イメージの向上だけでなくビジネスとしても多くの期待がある企業での環境対策です。
出典:経済産業省『適応ビジネスの推進>「温暖化適応ビジネスの展望」』(2021年4月28日)

5. まとめ:企業としてできるアクションとは

このように世界そして日本で温暖化による気温上昇は、問題となっています。気温上昇だけでなく様々な弊害によって今後、私たちの生活にも大きな障害となってきます。そのため国でも様々なアクションをしていますが、企業でも行動を起こしていかなければいけません。

上記の適応ビジネスや、RE100に参加することなど企業として国の運動に参画することもできます。その他にも、再生エネルギーを企業で採用し二酸化炭素排出を削減したり、車を水素自動車やハイブリットに変えるなど小さなアクションでも温暖化を防止することが可能です。今後、世界では企業の1つの魅力として環境への貢献度が含まれてくるため、早期の対応が求められていくでしょう。

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