再生可能エネルギー発電促進における賦課金と減免制度
- 2022年06月15日
- 発電・エネルギー
地球温暖化や気候変動が深刻な国際問題になっているなか、その抑制に繋がると期待されている再生可能エネルギー発電を多くの企業が導入・採用されています。
しかし再生可能エネルギー発電を導入・採用するためには多額の費用がかかってしまいます。ここでは、再生可能エネルギー発電を導入しつつ、会社の電気代に含まれている再生可能エネルギー発電促進賦課金を減免させる方法について紹介します。
目次
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再生可能エネルギーは自然界からの贈りもの
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再生可能エネルギー発電促進賦課金について
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再生可能エネルギー発電促進賦課金の減免制度
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まとめ: 再エネを利用しつつ、再エネ賦課金の負担額を減らそう
再生可能エネルギーは自然界からの贈りもの
再生可能エネルギーとは、太陽光や水力・風力・地熱・バイオマスなど、自然の力を利用して発電エネルギーを作るシステムのことを言います。
再生可能エネルギーの特徴
再生可能エネルギーの特徴として以下の2点が挙げられます。
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エネルギー源を持続的に確保できる
火力発電で使われる石炭・石油は、古代の動植物が長い歳月をかけて、地下で石炭・石油へと変化した燃料です。そのため採掘には限界があり、このまま何も考えずに石油・石炭を採掘し続けると、石油は50年・石炭は132年後には地球上から無くなってしまうと言われています。
それに対し再生可能エネルギーの元である太陽光・水・風・地熱・バイオマスは、いつでも自然界に存在するものなので、エネルギー源としては枯れることなく持続的に確保できます。
出典:関西電力『世界のエネルギー事情』
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温室効果ガスを排出しない
火力発電で使われる石炭・石油は、燃料として燃やすと温室効果ガスの一種である二酸化炭素が多く発生します。それに対し太陽光・水・地熱・バイオマスなどの自然エネルギーは、二酸化炭素を出さないので、温室効果ガスを抑制できるエネルギーとして注目されています。
再生可能エネルギーが注目された経緯
出典:認定NPO法人環境エネルギー政策研究所『2020年の自然エネルギー電力の割合(暦歴速報)』を元に作成
近年地球温暖化の影響で日本の気候変動は年々極端化し、その原因が二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスです。中でも発電エネルギーの約75%を火力発電が占めています。
さらに平成時代では、日本の発電エネルギー源について大きな見直しがありました。それは2011年3月11日に起きた東日本大震災による原発事故です。
当初原子力発電は、火力発電よりも温室効果ガスが発生しないクリーンなエネルギーとして注目されていました。しかし東日本大震災による原発事故が起こると、クリーンなエネルギーかつ安心安全で、何度でも再生可能な自然エネルギー発電が、火力発電や原子力発電に代わるエネルギー発電として注目されるようになりました。
再生可能エネルギー発電促進賦課金について
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、電気料金に含まれる再生可能エネルギー発電の普及にかかる費用の事です。再生可能エネルギー発電の導入には、設備に関する費用の問題がありますが、行政機関からの補助金や税金の優遇など、再生可能エネルギー導入に関する支援が行われています。
FIT法
出典:環境エネルギー政策研究所 『ISEP Energy Chart「累積設備導入量」全国エリア 2018年2月14日データ』を元にアスエネが作成
FIT法とは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の略で、再生可能エネルギーを元にして発電した電力を、経済産業省が決めた価格で一定期間電力会社が買い取ることを義務付けた制度です。
2012年7月に施行されたFIT法によって、再エネ賦課金を徴集する目的としている再生可能エネルギーの普及促進率は大幅に増加しました。しかしその一方で、電気料金を毎月支払う国民の負担は大きくなり、利用してもいない電力エネルギーの費用をなぜ負担しなければならないのかなどのトラブルや問い合わせが増えるなど、再生可能エネルギー発電に関する理解の問題が浮き彫りになっています。
年々増加する再生可能エネルギー発電促進賦課金
出典:東京電力ホールディングス『再生可能エネルギー発電促進賦課金単価』
出典:電気新聞『FIT総額、2030年に4.5兆円へ。電中研が推計』を元にアスエネが作成
今年4月に経済産業省から「2021年度再生可能エネルギー発電促進賦課金」の単価が発表されました。過去9年間の再生可能エネルギー発電促進賦課金単価だけを折れ線グラフから読み取ると横ばいですが、電気料金全体で見ると年々増加しています。
電気料金=基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金の減免制度
再エネ賦課金は年々増加しており、会社の電気代を圧迫し続けています。そこで経済産業省は、一定の条件を満たした企業に再エネ賦課金の負担額を免除する制度を2016年から始めました。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の減免率は、政省令で決められており、農業・林業・漁業などの第一次産業と、製造業・鉱業・建設業などの第二次産業が8割減免、それ以外の業種は4割減免が適用されます。
出典:新電力ネット『再生可能エネルギー発電促進賦課金の推移』
再生可能エネルギー発電促進賦課金の減免条件
会社の電気代に含まれている再生可能エネルギー発電促進賦課金を安く抑えるためには一定の条件があり、毎年11月1日~11月30日の間に、各地域の経済産業局に提出する必要があります。
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製造業:電気の使用に係るが原単位(電気資料量/千円単位あたりの売上高)が平均の8倍を超える事業を行う者
非製造業:電気の使用に係る原単位が平均の14倍を超える事業を行う者
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申請事業所の申請事業における電気使用量が年間100万kWhを超えること
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申請事業における電気使用量が申請事業所の電気使用量の半分以上を占めていること
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原単位の改善のための取り組みを行う者で、下記のいずれかを満たしていること(基準年度:11月1日前に終了した直近事業年度)
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基準年度から起算して、過去4事業年度の原単位の変化率の平均値が99%以下であること
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基準年度またはその前の前事業年度において、各事業年度の原単位が、それぞれの事業年度の前事業年度の原単位以下であり、基準年度から起算して、過去値の値が105%以下であること
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基準年度の前事業年度から起算して、過去4事業年度分の原単位の変化が平均値の99%以下であること
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基準年度の前事業年度またはその前の事業年度において、各事業年度の原単位が、それぞれの事業年度の前事業年度原単位以下であり、かつ基準年度の前事業年度から起算して、過去4事業年度分の原単位の変化率の平均値が105%以下であること
出典:経済産業省 資源エネルギー庁『減免認定手続|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー』
まとめ:再エネを利用しつつ、再エネ賦課金の負担額を減らそう
地球温暖化・気候変動・SDGsなど、私達を取り巻く経済環境は日々変化しています。
昔の発電エネルギーといえば石油・石炭を燃料とした火力発電が主流でしたが、今では太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが、新しい発電エネルギーとして地球温暖化抑制やSDGSの1つである省エネに貢献しています。
しかし再生可能エネルギーの普及には、多額のお金が必要であることも事実です。再エネ賦課金の負担額を減らしつつ、再生可能エネルギーについて考え、利用を検討してみましょう。