国別のCO2排出量はどう算定する?CO2排出係数を国別に比較
- 2023年12月15日
- CO2算定
脱炭素への取り組みが加速する中、世界各国でCO2排出量を削減しようとする動きが高まっています。CO2排出量を算定する時に用いられるのがCO2排出係数ですが、国別で違いが見られます。この記事では脱炭素に関心がある法人の皆さまが知っておくべきCO2排出係数に関する基本的な知識についてご紹介します。
目次
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国別のCO2排出量はどう算定する?
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CO2排出係数の国別比較
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日本の状況脱炭素を実現させるために〜日本のCO2排出係数について
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まとめ:CO2排出係数に関する理解を深め、脱炭素に取り組もう!
1. 国別のCO2排出量はどう算定する?
世界の各国がCO2排出量を公表していますが、CO2排出量はCO2排出係数を用いて測定することができます。ここでは、CO2排出係数の概念や国別のCO2排出量の算定手順について整理しましょう。
CO2排出量の算定方法・生産ベースCO2排出
現在国別のCO2排出量は、生産ベースCO2排出により測定されています。生産ベースCO2は、活動量にCO2排出係数を乗じることでCO2排出量を算定します。生産ベースCO2は、Scope3のカテゴリごとのCO2排出量を算定する時にも用いられます。
出典:資源エネルギー庁『CO2の排出量、どうやって測る?~“先進国vs新興国”』(2020/8/14)
出典:環境省『サプライチェーン排出量算定の考え方』(p.5)
活動量・CO2排出係数とは?
活動量とCO2排出係数は、それぞれ以下のように定義されています。
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活動量
活動量は、事業者の活動の規模に関する量を指しています。たとえば運輸業は貨物の輸送量を活動量としてCO2排出量を算定することができます。
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CO2排出係数
CO2排出係数はCO2排出原単位と呼ばれることもあります。活動量におけるCO2排出量を指しています。貨物の輸送量を活動量とした場合、貨物の輸送量1トンキロあたりのCO2排出量がCO2排出係数になります。
出典:環境省『サプライチェーン排出量算定の考え方』(p.5)
2. CO2排出係数の国別比較
CO2排出係数は、国により数値に違いが見られます。ここではCO2排出係数を国別に比較し、CO2排出係数が違うことで何が変わるのかについてご紹介します。
CO2排出係数の国別比較
CO2排出係数の値はkg-CO2/kWhです。2019年度におけるCO2排出係数の国別比較は以下の通りです。
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インド 0.72
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中国 0.64
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日本 0.44
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アメリカ 0.38
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ドイツ 0.33
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イタリア 0.30
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イギリス 0.18
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カナダ 0.13
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フランス 0.04
CO2排出係数の値が極めて低いフランスは、非化石電源の発電電力量の割合が非常に高く91%を占めています。
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原子力発電 70%
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水力発電 11%
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新エネルギー・廃棄物 10%
出典:エネ百科『CO2排出係数(発電端)の各国比較』(2022/2/16)
CO2排出係数の違いで何が変わる?
CO2排出係数の違いで、CO2排出量が変わります。CO2排出係数の値が高いほどCO2排出量は多くなります。非化石電源の発電電力量比率が高い国は、CO2排出係数の値が低いことからCO2排出量も少なくなります。
出典:エネ百科『CO2排出係数(発電端)の各国比較』(2022/2/16)
3. 日本の状況脱炭素を実現させるために〜日本のCO2排出係数について
CO2削減の鍵を握るのがCO2排出係数です。ここでは、日本のCO2排出量とCO2排出係数の状況、2050年カーボンニュートラルを実現させるために企業がすべきことについてご紹介します。
日本におけるCO2排出量状況
日本におけるCO2排出量は、2013年度から減少傾向にあります。
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2013年度 14億1,000万トン
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2014年度 13億6,100万トン
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2015年度 13億2,200万トン
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2016年度 13億500万トン
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2017年度 12億9,200万トン
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2018年度 12億4,700万トン
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2019年度 12億1,300万トン
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2020年度 11億4,900万トン
出典:環境省『2020年度(令和2年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について』(2021/12/9)
日本におけるCO2排出係数状況
2018年度における日本の火力発電全体から排出されるCO2は、前年度の4億9289万t-CO2から4億6031万t-CO2に減少しています。小売電気事業者のCO2排出係数も2017年度の0.496kg-CO2/kWhから0.462kg-CO2/kWhに低くなっています。
出典:環境省『電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価結果について』(2020/7/14)(p.26)
脱炭素を実現させるために
CO2排出係数は電力会社ごとに異なっており、環境省がホームページで各電力会社のCO2排出係数を公表しています。CO2排出係数が低い電力会社と契約することで、事業活動から排出されるCO2を削減することができます。
非化石電源の発電電力量割合を高めたり、再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることも、脱炭素を実現させるための重要な取り組みになります。
出典:経済産業省「「カーボンニュートラル」って何ですか?(後編)~なぜ日本は実現を目指しているの?』(2021/316)
4. まとめ:CO2排出係数に関する理解を深め、脱炭素に取り組もう!
国別のCO2排出量は、活動量にCO2排出係数を乗じることで算定されています。この算定方法は、企業がScope3を算定する時にも用いられるものです。CO2排出係数の大きさは、CO2排出量に大きく影響するため、CO2排出係数に関する理解を深め、事業活動を通して排出されるCO2の削減につなげましょう!