エコカーにはどんな種類がある?減税や補助金についても

2050年までにカーボンニュートラルを実現させることを宣言している日本は、環境に優しいエコカーの使用を推進しています。エコカーにはいくつか種類があることから、どのような種類があるのかお悩みではないでしょうか。

この記事ではエコカーの使用に関心がある法人の皆さまが知っておくべき、エコカーに関する基本的な知識についてご紹介します。

目次

  1. なぜエコカーなのか?

  2. エコカーの種類と日本の戦略

  3. エコカー減税制度の概要

  4. エコカー補助金を受けるには?

  5. まとめ:エコカーについての理解を深め、脱炭素に貢献しよう!

1. なぜエコカーなのか?

企業はエコカーを切り替えることでどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。ここではエコカーのメリットや購入する前に知っておくべきデメリットについてご紹介します。

エコカーを使用するメリット

エコカーを使用するメリットは、燃料費の節約ができることです。環境省が公表しているデータによると、エコカーの燃費はガソリン車のおよそ2倍です。燃費の良さは排出されるCO2が少ないことも意味しています。運輸部門は、2018年度における日本のCO2排出量のうち約18.5%を占めていますが、運輸部門の中で最も多くを占めているのが事業者を含む自家用乗用車の46.1%です。このように自動車から排出されるCO2量が多いことから、企業はエコカーを使用することで脱炭素に取り組むことができます。

次世代自動車の燃費の比較

出典:環境省『エコカーを選んでみませんか? -COOL CHOICE-』

運輸部門におけるCO2排出量の内訳

出典:環境省『運輸部門における温室効果ガス排出状況』(2021年3月)(p. 2.3)

エコカーを使用するデメリット

エコカーのデメリットは、一般的な自家乗用車と比較すると車種が少なく、車体本体の値段が高いことです。エコカーを買い求めやすくなるよう国が補助金事業を実施しているため、活用することをおすすめします。

  • 日産自動車/新型EV「アリア」ベースモデル539万円(税込み

  • 本田技研工業(Honda)/EX〈FF〉「アコード」465万円(税込み)

  • トヨタ自動車/Z(2WD)/240万円(税込み)

  • ダイハツ工業/4WD/151万5千円(税込み)

2. エコカーの種類と日本の戦略

日本は脱炭素社会を実現させるために、どのような目標を掲げているのでしょうか。ここではエコカーの主な種類と日本の戦略についてご紹介します。

エコカーの種類

主なエコカーは、以下の5種類です。

  • HV(ハイブリッド車)

  • EV(電気自動車)

  • PHV(プラグインハイブリッド自動車)

  • CDV(クリーンディーゼル自動車)

  • FCV(燃料電池自動車)

環境省は、2030年におけるエコカーの普及率が全体の半分になるとの見通しを発表しています。最も多くを占めるのがHVの29%、次がEVとPHVの16%、CDVの4%、FCVの1%です。

次世代自動車の普及見通し

出典:環境省『エコカーを選んでみませんか? -COOL

日本の自動車戦略

2020年10月に2050年カーボンニュートラルを宣言した日本は、『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』を策定しました。グリーン成長戦略では14の重点分野ごとに高い目標を掲げ、現状や課題、今後の取り組みが示されています。自動車については、2035年度に乗用車の新車販売で電動車100%にすることを目標に掲げています。

14の重点分野

出典:経済産業省『グリーン成長戦略(概要)』(2020/6/18)(p. 1)

3. エコカー減税制度の概要

エコカーに適用されるエコカー減税制度とはどのような制度なのでしょうか。ここでは、エコカー減税制度の概要やいつまで適用されるのかについてご紹介します。

エコカー減税制度の概要

エコカー減税制度とは、自動車重量税の減税が受けられる特例制度のことです。国が指定する燃費や排ガス機能に優れた自動車を購入し、新規登録することで減税制度が適用されます。

エコカー減税制度の延期が決定

当初エコカー減税制度は、2021年4月末までの予定でしたが、車体課税の見直しが検討された結果、2023年4月末までの延長が決定しました。エコカー減税制度の延長が決まった背景にあるのが、新型コロナウィルスによる自動車産業への影響です。国は減税制度を延ばすことで、厳しい状況下にある自動車産業を支えていく方針を固めています。

出典:経済産業省『令和3年度税制改正 (車体課税の延長・見直し)』(p. 1)

4. エコカー補助金を受けるには?

通常の自家用乗用車よりも値段が高いことがデメリットの1つとされるエコカーですが、国や自治体のエコカー補助金を活用することでエコカーを購入する時に金銭面で支援を受けることができます。ここでは、エコカー補助金の概要やどのような補助金があるのか事例をご紹介します。

エコカー補助金の概要

購入者の費用負担の軽減やエコカーの販売促進を目的として、国や自治体がエコカー補助金事業を実施しています。エコカー補助金の期間はそれぞれ異なるため確認してから購入時期を検討することをおすすめします。

エコカー補助金事例

  • 令和4年度予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」

クリーンエネルギー自動車導入促進補助金では、大きく3つの事業から成っています。そのうち「電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池自動車等の導入補助事業」において補助金を受けることができます。補助金の対象者は、指定されたエコカーを購入する者で、個人法人は問われません。

令和4年度は155億円の予算が組まれており、電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池自動車等の導入補助事業を利用すると、以下の補助金が交付されます。

  • EV 上限85万円

  • 軽EV 上限55万円

  • PHEV 上限55万円

  • FCV 上限255万円 など

出典:経済産業省『令和3年度補正予算「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」・令和4年度予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」』

5. まとめ:エコカーについての理解を深め、脱炭素に貢献しよう!

 

エコカーの種類など、エコカーを購入する前に知っておくべき基本的な知識についてご紹介しました。エコカーは車両の値段が高いとのイメージがありますが、減税制度や補助金制度を活用するとお得に使用することができます。エコカーを導入して脱炭素へ貢献しましょう!

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