【2022年最新版】IT導入補助金とは?わかりやすく解説!
- 2022年06月15日
- 補助金
IT導入補助金とは、主に中小企業を対象とした国による補助金で企業のIT化の推進を目指しています。国がIT化を進める背景には企業の生産性を向上させたいという国の方針があります。
今回は、IT導入補助金の概要や種類、補助の対象となるITツール、ITツールを導入するメリット、申請のスケジュールなどについてまとめます。
目次
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IT導入補助金とは何か
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IT補助金の種類
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IT補助金で対象となるITツール
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ITツールを導入するメリット
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申請のスケジュール
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まとめ:補助金でITツールを導入し生産性の向上を図ろう!
1. IT導入補助金とは何か
IT補助金とは、中小企業による生産性向上ためのIT導入を支援する補助金で、国が中小企業基盤整備機構を通じて民間企業等に交付します。今後4年間をめどとし、付加価値総額の3%、給与の1.5%増加を目指します。
中小企業がITツールを導入する際の手助けとなるよう、費用の一部を補助すると考えるとわかりやすくなります。令和3年度補正予算ではIT導入補助金の拡充が図られました。
出典:中小企業庁「サービス等生産性向上IT導入支援事業 (IT導入補助金) 令和3年度補正予算の概要」(2022/4)(p2~p3)
2. IT導入補助金の種類
IT導入補助金は通常枠とデジタル化基盤導入枠に大別され、デジタル化基盤導入枠は単独の場合と複数社連携の場合に分けられます。
(1)通常枠
通常枠の特徴は以下の通りです。
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費用の1/2(最大450万円)を補助
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様々な業種や職種形態に対応
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自社の課題にあったITツールを導入可能
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「IT導入支援事業者」が申請・手続きをサポート
出典:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金について 通常枠(A・B類型)」
幅広い用途に対応できる補助金でITツールの導入全般に利用できます。
(2)デジタル化基盤導入枠
デジタル化基盤導入枠の特徴は以下の通りです。
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補助額5万円~50万円以下(補助率3/4)、補助額50万円超~350万円(補助率2/3)
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PC・タブレット等のハードウェアにかかる購入費用も補助対象
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会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに補助対象を特化
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クラウド利用料を最大2年分補助
出典:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金について デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」
国は企業間取引のデジタル化を推進するため、IT化する事業者に補助金を出そうとしていると考えてよいでしょう。
3. IT補助金で対象となるITツール
補助金の対象となるのは業務を効率化させるために導入するソフトウェアやクラウドサービスで、ツールだけではなくツールを導入するためのサポート費用や設定費用も補助対象となります。
具体的な補助対象は以下のとおりです。
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RPA(Robotic Process Automation)
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訪問介護支援システム
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宿泊予約サイト一元管理システム
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会計・給与システム
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電子カルテシステム
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原価管理ツール
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建築3次元CAD
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ロボット型接客ツール
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給与・勤怠管理システム
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販売管理システム
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クラウド会計・申請ツール
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クラウド顧客管理ツール
出典:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「ITツール活用事例」
こうしたツールは生産性を向上させるものと考えられ、補助金の対象となっています。
4. ITツールを導入するメリット
ITツールを導入することで企業にどのようなメリットがあるのでしょうか。
(1)生産性や利益が向上する
1つ目のメリットは生産性や利益の向上です。IT化を進めると、業務の無駄を洗い出しやすくなり、人員を効率的に配置できます。その結果、業務時間を短縮しつつ成果を上げられるようになります。
たとえば、小売業でタブレットPOSレジ(タブレット端末にPOSレジ機能を搭載したもの)を導入すると会計の手入力を減らせ、売上データを一元管理できます。タブレット型なら持ち運びが容易なため、現場の利便性も向上します。
このように、IT技術を現場に導入することで今まで人の手に頼っていた業務を自動化し、効率よく仕事を進められます。生産性が向上すれば、必要な人員を減らせ従業員の休日も取りやすくなります。そうなれば、従業員の満足度が向上しサービスの向上が期待できます。
(2)情報の共有・分析がしやすくできる
2つ目のメリットは情報の共有・分析の容易さです。先ほどのタブレットPOSレジを例にとると、読み取ったデータは本部に送信されるだけではなく端末にデータが蓄積されるため、現場での情報共有に役立ちます。従来型のレジの場合、現金管理はできますがそれ以外の情報は別途収集しなければなりませんでした。
タブレットPOSレジにすると設定により顧客の年齢層や男女比、商品ごと・曜日ごとの売り上げ推移などの情報も得られるため、今後の経営・販売戦略を立てるときに参考にできます。
(3)在宅勤務など新しい働き方に対応できる
3つ目のメリットは在宅勤務などの新しい働き方に対応できることです。新型コロナウイルスの流行により企業を取り巻く情勢は大きく変化しました。政府は企業に対し在宅勤務を推奨し、大手企業を中心にテレワークが普及しました。
規制が徐々に緩和される兆しが見え始めていますが、一度導入されたテレワークなどの新しい働き方はある程度持続する可能性があります。在宅勤務者と円滑に連絡を取り、会社業務をつつがなく行うためにはIT技術の導入が必須です。
クラウドサービスなどのIT技術を導入すると、書類やデータの共有・管理が容易になり場所を選ばずに業務を進められます。こうした自由な働き方は企業の新たな魅力となり、優秀な人材を引き寄せる要素となるでしょう。
5. 申請のスケジュール
申請のスケジュールは6つのステップで構成されています。そのうち、ステップ1〜ステップ3は申請前に必ず行うもの、ステップ6は交付決定後に必ず行うものです。
まず、IT導入補助金の概要や公募要領などについて事業内容を理解します。公募要領は一般社団法人サービスデザイン推進協議会の公式サイトで確認してください。
次に補助金を受けて導入するITツールを選択します。自社の規模や解決したい経営課題などについて検討し、サポートをしてくれるIT導入支援事業者と導入するツールを選びましょう。
そして、導入に必要な「gBizIDプライム」のアカウントを取得します。また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必要です。この宣言は、導入する事業者が情報セキュリティ対策に自ら取り組むことを宣言するものです。
事前準備が終わったら、IT導入支援事業者と打ち合わせしたうえで交付申請に必要な事業計画をまとめます。クラウドやテレワーク、インボイス制度などに対応したITツールを導入すると審査で有利になります。交付決定後は、提出した事業計画に沿って補助事業を実施します。
出典:一般社団法人サービスデザイン推進協議会「申請方法 | 中小企業・小規模事業者のみなさま | IT導入補助金」
6. まとめ:補助金でITツールを導入し生産性の向上を図ろう!
IT補助金は国が行う補助事業で、企業のIT化を推進することが目的です。IT化を推進することで企業の生産性が向上し、従業員の待遇改善を図れる可能性があります。
日本の多くを占める中小企業では大企業に比べIT化の進展が遅れています。その結果、生産性に改善の余地がまだまだ残されているのが現状です。
今後、企業経営を取り巻く様々な環境が変化する中、少しでも経営を効率化し優秀な人材を確保するため、中小企業こそ補助金を活用してITに投資するべきではないでしょうか。