EV時代に充電スタンドは必須設備!充電関連の気になる銘柄紹介

車社会はガソリン車からEVへの転換期を迎えています。EV車へのシフトチェンジに伴い、スタンドも拡充予定なので、充電関連銘柄にも注目してみましょう。

日本がEV社会へとシフトチェンジしていく背景には、世界中での脱炭素社会に向けた動きが大きく関係しています。地球を守るために行動するという変化の中で大切になるのは、環境や、社会などに対し「持続可能性」に希望のある取り組みをしている企業を支えることです。

今回は、今勢いを増すEV充電スタンド関連銘柄についてご紹介致します。

目次

  1. 自動車業界の動向とEVのポテンシャル

  2. EV専用スタンド充電設備の種類と、開発中の新システム

  3. EV車用充電スタンドの関連銘柄紹介

  4. まとめ:EV時代の到来に向け、企業を見極めて動き出そう

1. 自動車業界の動向とEVのポテンシャル

日本では、2020年に菅前首相が「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と表明をしたように、脱炭素社会に向けた取り組みが進んでいます。これを受けての自動車業界の動向やEVのポテンシャルをご紹介し、皆様には何ができるかをご提案していきます。

自動車業界の転換期

脱炭素社会への日本の動きのなか、大きな転換期を迎えているのが自動車業界です。2021年6月18日に経済産業省が発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、EV等の自動車の普及加速を掲げており、2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう、包括的な措置を講じる旨が記載されています。

EV普及のためには、同時に充電スタンドの設置等のインフラ整備も必須です。「グリーン成長戦略」では、公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラ15万基を設置し、2030年までにガソリン車並みの利便性を実現することが目標とされています。

インフラ整備が急がれる昨今、充電スタンド設置に対して、価格や効率といった面で各社が切磋琢磨している状況です。同時に、国の政策の恩恵を受けて充電関連銘柄が注目を浴びるようになってきました。

出典:経済産業省『グリーン成長戦略(概要)』 (2021/06/18)

出典:経済産業省『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました』(2021/06/18)

EV車のポテンシャルを知っておこう

これだけガソリン車が普及している中で、なぜEV車へシフトチェンジが重要になったのでしょうか。EV車が持つメリットについてご紹介します。

走行時に二酸化炭素を排出しない:EV車に期待が集まる大きな理由として、ガソリン車とは異なり、走行時に二酸化炭素を排出しないことが挙げられます。ただし、EVのエネルギー源となる電気(充電をする電気)がどのようにしてつくられたものかに注目することが大切です。化石燃料由来のものであれば、走行中には二酸化炭素を排出しないけれど、発電時に同等の二酸化炭素を排出してしまっている本末転倒な結果になってしまいます。

緊急時の非常用電源として備えることができる:EV車は、充電をすることによって走行できます。要するに、蓄電池に貯めた電気で走行するものです。日本は災害が多い国ですが、もしも緊急事態でインフラが滞ってしまったときに、非常用の電源を確保できるという意味でも注目されています。

日本のエネルギー構造を変える:化石燃料に頼らず再生可能エネルギー由来の電力を使用したEV社会を構築することは、日本のエネルギー構造を変えるきっかけになる可能性があります。日本のガソリン燃料のほとんどを海外からの輸入に依存しています。、これは、原産国の政治情勢や、世界のエネルギー情勢に大きく左右されるリスクがあります。もしも日本が国内で再生可能エネルギー由来の電力を使用したEV社会を築くことができれば、エネルギー自給や輸入の問題を打破するきっかけとなり、日本のエネルギー構造全体を変化できるかもしれません。

我が国のエネルギー自給率

出典:資源エネルギー庁『2020-日本が抱えているエネルギー問題(前編)』(2020/11/18)

投資によるEV普及のためのアクション

日本では、多くのメリットが期待されるEVの普及が急務となっています。環境問題解決へ直結したEV社会の構築へと進むためには、よりよい経営をしている企業を選び、支援することが重要です。地球温暖化対策のためにEVを普及させるのであれば、そこに重点をおいて各社を評価してみましょう。会社の取り組みを知って投資をすることにより、間接的にでも地球環境を守っていくことができます。

EV関連の銘柄へ投資をすることにより、結果的にEV普及を後押しすることになり、脱炭素社会へ向けたアクションができます。

2.2種類のEV専用スタンド充電設備と開発中の新システム

EV専用スタンドといっても、さまざまな種類があります。現在市場で主に取り扱われている充電設備の種類は「普通充電設備」と「急速充電設備」があります。2つの設備の特徴と、未来に期待できる開発段階のシステムについてご紹介していきます。

充電設備の種類出典:経済産業省『充電設備について』(2021/3/17)

(1)自宅や宿泊施設に設置されている普通充電設備

自宅や宿泊施設には、普通充電設備が多く備わっています。急速充電設備と比較すると、安価で設置できます。充電に8時間〜14時間程度時間を要します。

(2)まちの施設に設置されている急速充電設備

急速充電設備は、商業施設や道の駅、サービスエリアなど、まちの施設のいたる所に設置されています。導入価格は高いですが、充電時間は普通充電設備と比較すると15分〜30分程度と短くて済むのが特徴です。

技術開発段階のシステム

(1)走行中給電システム

株式会社大林組と、株式会社ダイヘン、関西電力株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行う「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」で、EVの走行中九電システムに関する技術開発の助成事業に採択されました。

走行しながらの充電を可能とすることで、走行距離の延長と充電の利便性向上を目指すものです。付随して、走行中のEVと電力系統を常時接触させることによって、車両の位置情報とバッテリーの状態を管理し、太陽光等で発電した余剰電力のEVへの供給を最適化でき、再生可能エネルギーの効率的な活用に繋げるとしています。再生可能エネルギーを効率よく使用できるようになる点で魅力的です。

関連銘柄:[1802]大林組、[6622]ダイヘン、[9503]関西電力

出典:『「EV用走行中給電システムに関する技術開発」 NEDO公募事業における提案採択のお知らせ』(2021/11/19)

(2)ワイヤレス充電システム

新電元工業は、ワイヤレスでEV車を充電できる非接触型充電システムを2025年にも実用化する予定で実証実験を進めてます。現在の充電システムでは、充電コードをEV車に接続する方法ですが、この手間が省け、駐車場に車を停車するだけで充電ができるようになるのは魅力的です。

関連銘柄:[6844]新電元工業

3.EV車用充電スタンドの関連銘柄紹介

実際に、EV車用充電スタンドについて、充電関連銘柄はどのようなものがあるのでしょうか。参考までに2つの企業をご紹介します。

[7203]トヨタ自動車:トヨタ自動車株式会社は、完全個体電池の開発で先行している企業です。完全個体電池は、従来のリチウム電池より、発火のリスクが減り、短い充電時間で走行距離も伸びることが期待されます。EV車へのシフトチェンジが加速していくなかで、より効率的で利便性の高い製品が開発される点は、EV普及の後押しをするでしょう。

[6503]三菱電機:三菱電機株式会社は、パワー半導体モジュールの製造に力を入れている企業です。パワー半導体は、EVには欠かせない部品であり、世界的にパーツの売り上げシェアの拡大が期待されます。高い製品寿命に定評があることも魅力です。利用価値を長く保たせることは、環境配慮の観点からも非常に重要です。

4. まとめ:EV充電スタンド普及に各銘柄が尽力

今後、急速にガソリン車からEV車へのシフトチェンジが加速していきます。EVを普及させるためには、現在のガソリンスタンドと同じくらいのEV専用の充電スタンドの拡充が必要となります。EV充電スタンド関連の銘柄にも注目していきましょう。

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