【法人必見】電気代削減に成功している会社が行っている事とは
- 2022年06月15日
- 発電・エネルギー
会社経営をしていくうえで、欠かせない費用である電気代。しかし企業活動をしていくにつれて、その費用は年々高額になってきます。なかには月に数万円いくほど電気代が高額になって会社の経営状態を圧迫している会社も存在しています。
しかし近年では、会社の経営成績を安定させながら、月々の電気代の削減に成功している会社も多くみられ、その事例もさまざまです。
ここでは、どのようにして電気代の削減に取り組み、電気代削減に成功している事例について紹介します。
目次
-
会社の電気代削減についての課題
-
なぜ会社の電気代削減は難しいのか
-
会社の電気代を削減するための対策
-
会社の電気代削減に向けて行動してみよう
会社の電気代削減についての課題
会社には照明器具の他、エアコンやパソコンなどさまざまな電気器具が存在します。それらは企業活動に欠かせないものなので、使った電気量に対して電気代も使った分発生します。
会社(特にオフィス)の電気代の割合は、エアコンや加湿器などの空調設備が約47.2%、蛍光灯やパソコンやプリンターなど動力・照明が約34.7%、その他が18.1%と言われています。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁『第2節 部門別エネルギー消費の動向 1.企業・事業所他部門のエネルギー消費の動向(3)業務他部門のエネルギー消費の動向』を元に作成
近年では、SDGsの1つである省エネ対策としてLED照明が使われるようになってきましたが、設置には電気代以上の費用が必要となり、金額も高額になってしまいます。たとえば、会社の事務所にLED蛍光灯を2つ設置する場合、1個あたりのLED蛍光灯の金額は約10,000円が一般的です。
また最近では、国が総力をあげて取り組んでいる再生可能エネルギー(太陽光や太陽熱、風力、水力、地熱、バイオマス)によって発電された電力を買い取るための賦課金が、会社の電気代に含まれています。その金額も使うワット数や月ごとにによって異なります。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁『 なっとく!再生可能エネルギー』を元に作成
今後会社の電気代をどのように削減していくかについては、まず会社の内部で、何にどれだけの電気量を消費しているのかを知ることです。
なぜ会社の電気代削減は難しいのか
エアコンにはそれぞれの部屋にあった最適な温度に調整する機能を持っています。最近では、室温調整だけでなく、目に見えないウイルスや細菌から部屋の空気を綺麗にする空気洗浄機が備え付けられています。
エアコンの電気代が一番高額になってしまう理由は、室内の温度とエアコンの設定温度の差です。
エアコンは室内機と室外機がヒートポンプでつながっている構造になっています。室温とエアコンの設定温度に大きな差があると、エアコンは室外機内にある熱交換器と呼ばれる部品が長時間と最大力をかけて稼働し、設定された温度で部屋の温度を調整を行おうとします。
また最近では地球温暖化の影響により、夏の異常な暑さと冬の厳しい寒さが年々ひどくなり、ますますエアコンを使う稼働率が多くなったことも、電気代削減が困難に陥っている原因になっています。
会社の電気代を削減するための対策
会社の電気代は、「使用量×料金単価」で決まります。電気の使用量の多い順番は前述(会社の電気代削減についての課題)のとおりで、3つの対策方法があります。
エアコンの電気代削減
-
エアコンの買い替え
会社に設置されているエアコンが古くなって機能が低下した場合は、新しいエアコンに買い替えましょう。最近の業務用エアコンには、人の気配や床の温度をセンサーで感知し、状況によって温度の強弱や向き、運転を自動で制御する機能が備わっています。この機能により約30%~70%の消費電力が節約でき、電気代も同じく約30%~70%削減できます。
出典:株式会社ACN 『業務用のエアコンの今・昔』
-
設置済みのエアコンにおける節約
人の気配を感知するセンサーがついていないエアコンを設置している場合、長時間人がいないときはエアコンの運転を切りましょう。しかし、こまめな電源のオンオフは、返って電気代が増加してしまいます。その根拠は、室外機の中に組み込まれている熱交換器の回転速度が激しくなり、多くの電力を消費するからです。
またエアコンを使用しているときは、扇風機やサーキュレーターを使って、空気を部屋中に循環させましょう。温度差をなくすことで、エアコンの設定温度を上げ下げをする必要がなくなり、結果として電気代も削減できます。
照明器具の電気代削減
-
LEDへの変更
現在ほどんどの会社で主に使われている照明器具は40ワットの蛍光灯です。しかし蛍光灯は照明寿命が6,000時間と短く、電気料金も平均で月20,000未満と言われています。
出典:NSSエナジーソリューション株式会社『オフィスの電気代は平均してどれくらい?企業と経費のお話』
それに対しLED照明は、照明寿命が40,000時間という特徴があります。しかし設置には高額な費用が必要ですが、最近では安価のLED照明が登場したり、企業に対して、LED照明設置の補助金を出してくれる地方自治体もあります。
設置後の電気代は設置前と比較すると約70%削減できます。
出典:株式会社エスコ『LEDに省エネ効果ってどのくらいあるの?』
料金単価を減らす
-
電力会社の切り替え
エアコンや照明器具等の節電が難しかったり、節電に限界を感じた場合は、電力会社との契約を見直してみましょう。
最近の電力会社では、従量電灯よりも安い料金プランや基本料金が0円のプラン、省エネを推奨したプランなど、さまざまなプランが用意されています。
会社の現状に適合する電力会社を選ぶことで、電気代削減に繋げてみましょう。
-
自家発電設備の設置
会社内に発電機を設置できるスペースがある場合は、自家発電設備を設置してみましょう。最近では、太陽光などの再生可能エネルギーを使った自家発電設備を設置する会社が増えています。
自家発電設備を設置することで、会社に必要な電力を供給でき、自然災害などによる停電が起こった場合も、短い時間内に復旧できるなどのメリットがあります。また支払う電気代もなく、自家発電設備の種類によっては、余った電力を他社に売買して、大きな利益を得ることもできます。
会社の電気代削減に向けて行動してみよう
年々高くなる会社の電気代を削減するために、私達一人ひとりが出来る行動にパソコンの使用の見直しがあります。
デスクトップパソコンの場合、1台あたり約100ワットの電力を消費します。根拠としては、画面の輝度(明るさ)が挙げられます。パソコンの画面は照明器具と同様、輝度が高いほど、電力消費も大きく電気代も高くなってしまいます。
長時間パソコンを使わない場合は、スリープ状態またはシャットダウンし、使っているときは画面の輝度(明るさ)を下げてみましょう。画面を少し暗くしたり、または真っ暗にすることで、1日約1%、1ヶ月で約20%の電気代が削減できます。
出典:Microsoft Windows『節電しながら賢くPCを使うには?』
まとめ
会社の電気代を削減するためには、まず自社が抱える電気代が増加する原因について考えるところから始めましょう。エアコンの運転節約やLEDの設置、料金プランの見直し、パソコンの節電など、個人でも出来るさまざまな電気代削減方法があるように、自社の経営状態にあった方法を見つけてみましょう。
また電気代の削減は、温室効果ガス削減や、SDGsの省エネ対策にも貢献できます。自社の電気代の削減方法が見つかったら、PDCAサイクルに当てはめ、コスト削減とSDGs双方に取り組んでみてはいかがでしょうか。