ソーラーカーポートとは?価格やメリットについて解説

2020年10月に、日本では2050年までの「脱炭素社会」の実現が宣言されました。このような流れの中、温暖化対策は各個人・企業が行わなければならないスタンダードになりつつあります。

その中で、ソーラーカーポートは温暖化対策の1つの策として有効な手段です。ここでは、ソーラーカーポートの価格やメリットについて、わかりやすく解説していきます。この記事を読んで導入を検討してみてください。

目次

  1. ソーラーカーポートとは?

  2. ソーラーカーポートを設置するメリット・注意点

  3. ソーラーカーポートの価格と設置方法について

  4. まとめ:自社の屋根をソーラーカーポートとして活用しよう!

1. ソーラーカーポートとは?

ソーラーカーポートとは

ソーラーカーポートとは、カーポートに使用している屋根の代わりに太陽光パネルを活用するもの、あるいはカーポートの屋根の上に別で太陽光パネルを設置するものを指します。

本来駐車場として活用している空間を確保したまま太陽光発電のスペースとして活用できるため、利用者にとっては駐車場と発電所の2つの機能を享受できる非常に便利なシステムです。

また、発電した電気は自社の電気として活用できるため、企業の温暖化対策として非常に有効な手段になっているのです。

ソーラーカーポートの種類

(1)太陽光発電一体型

最もポピュラーで各社導入実績が多いのが太陽光発電一体型です。カーポートの屋根として太陽光発電パネルを用います。

のちに説明する太陽光発電搭載型と比較して見た目がすっきりしているのが大きな特徴です。また、シンプルなものが多く比較的低コストで導入可能です。

出典:環境省「ソーラーカーポートの導入について」

(2)太陽光発電搭載型

カーポートの屋根上に太陽光発電パネルを設置するものです。太陽光パネルと車庫が別々になっているタイプのため太陽光パネルを自在に動かしながら発電効率が高い角度に調整することができます。

一方で、デザイン性や自由度が高い分予算は太陽光発電一体型よりかかってしまうことが多いので注意が必要です。

出典:環境省「ソーラーカーポートの導入について」

2. ソーラーカーポートを設置するメリットと注意点

メリット 

(1)土地の有効活用が可能になる

駐車スペースは車を止める以外の用途は基本的にありません。しかし、ソーラーカーポートを導入することで駐車スペースを圧迫することなく発電所として有効活用することができます。

特に工業地帯や都心から離れた地域など、大きな駐車場を持つ施設やスペースに余裕がある施設にとっては有効活用できるチャンスになります。

(2)電力需要施設内に設置できることで、自家消費が容易になる

駐車場は、オフィスや工場などの、電力需要施設に隣接していることが多いです。

したがって、発電場所からすぐ近くで自家消費が可能になり、電力を効率よく活用できます。また、緊急時の予備電力としても活用できるため、地震や津波など自然災害が起こった時の地域全体における災害体制の強化につながります。

出典:環境省『ソーラーカーポートの導入について』(P2)

注意すべきこと

(1)ソーラーカーポートは建築基準法の対象になる

野立ての太陽光発電設備と比較して、ソーラーカーポートは建築基準法に基づく建築物の対象になります。したがって規則に則った設計・施工・管理が必要です。

施工業者と綿密な連携を取りながら建築を進める必要があります。

(2)初期費用がかかる

自社で購入する場合、駐車場の規模に伴って多くの費用がかかってしまいます。例えば、10台置きの駐車場で導入する場合の相場は400〜600万円と言われています。

補助金制度を利用しながら導入することで費用削減は可能ですが、最低限の財務基盤を構築しておく必要があるため、初期費用がかかります。

しかし、後ほど紹介するオンサイトPPAモデルやリースでは、初期費用を低減できるため、ここまでの大きな初期費用は必要ありません。

出典:環境省『ソーラーカーポートの導入について』(P2)

3. 初期投資がかからない、ソーラーカーポート導入方法とは

太陽光設備を自社で購入した場合、上に述べたように設置に伴って初期投資が発生し、また維持管理も自社が請け負うため、メンテナンス費用もかかります。

ここで、初期投資がかからない、かつ維持・メンテナンスの費用も発生しないソーラーカーポートの導入方法として、「オンサイトPPAモデル」と「リースモデル」について紹介します。

オンサイトPPAモデル

(1)オンサイトPPAモデルとは何か

オンサイトPPAモデルとは、需要者の敷地内に太陽光発電設備(今回の場合はソーラーカーポート)を発電事業者の費用で導入し、発電設備から発電された電気を需要家に供給する仕組みのことです。別名第三者所有モデルとも呼ばれています。

現在、日本のソーラーカーポートはオンサイトPPAモデルでの導入が増加傾向にあり、環境省でも多くの事例が紹介されています。

(2)メリット

基本的に初期投資はかかりません。また、第三者の所有物であるため、維持管理やメンテナンスにかかる費用もありません。

また、電力を使用した分だけの電力を購入するため、余分な費用を支払う心配がないことも大きなメリットでしょう。

契約を結ぶことで発電事業者は設備を提供し、需要家は電気利用料を発電事業者に支払います。したがって実際に購入するよりも格段に費用を抑えることができます。

(2)デメリット

オンサイトPPAモデルで導入した設備は自社の所有物ではなく発電事業者の所有物になります。したがって自由に交換や処分ができないため一定の制限のもとで運用していく必要があります。また、基本的に長期契約になるため慎重な判断が求められます。

 オンサイトPPAモデルオンサイトPPAモデル

出典:環境省『初期投資0での自家消費型太陽光発電設備の導入について』(P2)

リースモデル

(1)リースモデルとは何か

リースモデルとは、リース事業者が需要家の敷地内に太陽光発電設備(今回はソーラーカーポート)を設置し、維持管理を事業者が行う代わりに需要家が月々のリース料金を支払うものです。

発電した電気は全て需要家のものとなり、余った電気は発電会社に売却できます。

(2)リースモデルのメリット

リースは基本的に初期投資がかかりません。また、提供先の所有物になるため、維持管理・メンテナンスの費用が発生しません。発電した電気を使用しなかった場合は売電できるのも大きなメリットになります。

(3)リースモデルのデメリット

リースモデルは基本的に長期契約で自由に交換や処分ができません。先ほども述べたように発電業者の所有物になるため、交換や処分についての権利は発電業者に帰属します。

また、発電量の多寡にかかわらず、リースにかかる料金は一定となります。季節や天候によって発電量は変化しますが、その変動は加味されないため、一定のリース料を支払う必要があるのです。

リースモデル

出典:環境省『初期投資0での自家消費型太陽光発電設備の導入について』(2ページ)

4. まとめ:自社の屋根をソーラーカーポートとして活用しよう!

今回は「ソーラーカーポートの概要と価格」について解説していきました。カーボンニュートラルの達成に向けて企業が温暖化対策に取り組むことは当たり前の時代になっています。

具体的な行動として、今回はソーラーカーポートの導入をオススメさせていただきました。予算の関係で「すぐには導入できない」という企業でもオンサイトPPAモデルのような形であれば、初期費用を押さえて導入できるかもしれません。

ソーラーカーポートを導入し、企業の地球温暖化対策を進めていきましょう!

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