もはや常識?SDGsの概要と日本の取り組みを紹介!

昨今、メディア等ででSDGsという言葉をよく聞きます。SDGsはよりよい世界にする為のグローバルな共通目標です。この記事ではSDGsの概要と日本の取り組みを紹介します。SDGsの要点から取り組むべき理由も解説しますので、より一層の理解を深めて頂けたらと思います

目次

  1. SDGsとは?要点を解説!
  2. SDGsに取り組むべき3つの理由
  3. SDGs達成に向けた日本の取り組み
  4. 世界のSDGs先進事例
  5. まとめ

1. SDGsとは?要点を解説!

SDGsはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の頭文字をとったものです。2015年国連サミットで策定された2016年から2030年までの共通の国際目標で、17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsにおける17のゴール

(出典:環境省『持続可能な開発のための2030アジェンダ/SDGs』)

現代社会の主な課題として、エネルギーや生態系の保全等、ジェンダー平等や貧困や教育等があります。このような環境・社会・経済分野の様々な課題に対応する形で上記した17のゴールが設定されています。

2. SDGsに取り組むべき3つの理由

SDGsの達成に向けて社会は着実に動き始めており、地球環境変化への対応は勿論投資家や消費者も徐々に意識変容しています。様々な面でSDGsを意識した行動が必須になる世の中になりつつあります。このセクションではSDGsに取り組むべき3つの理由を紹介したいと思います。

地球環境の変化への対応

温室効果ガスの排出による気候変動を始めとする地球環境の変化は決して他人事ではありません。また、その他の貧困やジェンダーの問題も同様です。このような課題に取り組む事で過ごしやすい世の中になるだけでなく、SDGsが達成された場合2030年には年間12兆ドルもの市場機会が得られると言われています。

(参照:経済産業省『SDGs経営ガイド』2019年5月)

SDGsと投資家の意識変容

ESG投資という言葉をご存じでしょうか。Environment(環境) Social(社会) Governance(企業統治)の頭文字をとった物で、投資家はこの3つの要素に配慮している企業を重視・選別する機運が高まっています

(出典:エネ庁『エネルギー白書2020』2020年)

 

上図は日本と各国のESG投資の割合と推移を示したグラフです。徐々にではありますがESG投資の割合は年々増加しています。また、過去10年で見ると約6倍になっており運用総額の約33%と巨大な市場に成長しています。

 

このように投資家もSDGsを意識したESG投資によりSDGsの達成を促しており、企業もその期待に応えなければなりません。これはSDGsに取り組む大きな理由の1つになり得ます。

SDGsと消費者の意識変容

投資家だけでなく消費者の意識も徐々に変化しています。最近ではエシカル消費(倫理的消費)という考え方が広まっています。端的に言うと環境・社会・人に配慮した商品を消費しようという意識です。

(出典:環境省『平成30年度版 環境・循環型社会・生物多様性白書』2018年)

 

上図から投資家と同じく約6割の消費者がSDGsを意識したエシカル消費に意欲的だとわかります。右のグラフからは通常の消費と比べて10%までの割高ならエシカル消費に意欲的だとわかります。今後SDGsの意識がさらに定着すれば、企業や自治体や政府がSDGsを意識した商品やサービスを提供しなければならず、この消費者の意識変容はSDGsに取り組むべき大きな理由と考えられます。

3. SDGs達成に向けた日本の取り組み

今まで解説した通りSDGs達成の達成は投資家や消費者の意識変容もあり一筋縄ではいきません。その為、政府・企業・自治体が一体となって取り組まなければなりません。このセクションでは政府・企業・自治体の具体的な取り組みを紹介したいと思います。

SDGs達成に向けた取り組み~政府~

現在、政府ではSDGs達成に向けた推進本部を設置設置しています。また、さらなる具体的な政府指針をまとめたSDGsアクションプランを毎年策定しています。その中、SDGsと連動するSociety5.0の推進SDGsを原動力とした地方創生SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメントの3本柱で取り組んでいます。

 

関係府省庁が一体となって企業、自治体、国民に対してあらゆる分野で取り組みを推進しています。そのかいあってか日本国民の4人に1人がSDGsを認知する程浸透しました。一方で、解決に遅れのある課題もある為、2020年からゴールの2030年を行動の10年として課題解決に向けて加速する10年になる見込みです。

(出典:外務省『SDGs実施指針改訂版』2018年)

SDGs達成に向けた取り組み~企業~

企業は今後、消費者・地域社会・環境との共生に配慮した製品サービスだけでなく、社会への動きに対する関心やこれまで常識であった生活様式や消費行動、働き方が変化していくと認識して長期的視点を持ち持続的な発展につながる活動が求められます

企業によるSDGsの取り組みを紹介します。ご紹介するのはSDGsアワードで大賞を受賞したみんな電力株式会社です。実はこの会社、電力小売り事業者の中で自然エネルギー利用率がNo.1の会社です。これに加えて透明性の高い電力販売や、電気を通じた地域との繋がりを促進した事が授賞理由です。

(出典:みんな電力株式会社『みんな電力のSDGs達成に向けた取り組み』2019年11月)

(出典:外務省『第4回SDGsジャパンアワード』2020年)

SDGs達成に向けた取り組み~自治体~

自治体がSDGsに取り組むに当たって、人口減少や少子化などの課題の視える化体制作り各種計画の策定改定課題に応じた地域間の広域連携が重要です。政府も取り組みを促進しておりSDGs未来都市として選定し支援を行っています。

2020年にSDGs未来都市に選定された石川県の加賀市の取り組みを紹介します。加賀市は人口減少の課題が多く消滅指定都市と指摘がありました。そこであらゆる公共交通機関をITで繋ぐMaasや事業活動によるエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達するRE100等のSDGsの理念に即した取り組みで課題解決を図っています。

(出典:加賀市『官民協働による「加賀市は、スマートSDGsへ。」』2021年)

4. 世界のSDGs先進事例

最後に世界の先進事例としてSDGsスコアで毎年上位を獲得しているデンマークのある企業の取り組みを紹介します。(ちなみに日本は17位で、アジアの中では最も順位は高いです。)

 

ご紹介するのは従業員18名のPlastixという会社です。この会社は使用済み漁網等を新品のプラスチック製(に作り変えた世界初の会社です。プラスチックの適正処理と粒径毎の分類でリサイクル製品を提供し、通常のプラスチックと比較してCO2排出量を80%~95%削減出来ましたプラスチックごみ問題と資源不足問題を同時に解決出来る素晴らしいソリューションだと言えます。

(出典:日本貿易振興機構『欧州のSDGs実践に関する調査』2019年)

5. まとめ

地球環境の保全や誰もが過ごしやすい世の中にする為にSDGsに取組む重要性がわかったかと思います。世界と比較すると日本のSDGsスコアは決して高くありません。2030年の目標達成に向けて政府・企業・自治体のさらなる行動が必要です。

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