太陽光パネルと蓄電池の価格相場はどのくらい?補助金制度もご紹介
- 2022年06月15日
- 補助金
太陽光パネルや蓄電池の価格相場はどのくらい?様々なメリットがあることから太陽光発電設備や蓄電池の導入をご検討の法人の皆さまにおかれましては、やはり価格が気になることと思われます。この記事では、太陽光パネルや蓄電池の価格に関心のある法人の皆さまが知っておくべき基本的な知識についてご紹介します。
目次
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太陽光パネル/蓄電池とは?
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太陽光パネルの価格相場とこれまでの価格推移
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蓄電池の価格相場とこれまでの価格推移
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太陽光発電/蓄電池を設置するメリット
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太陽光パネルや蓄電池は補助金制度を活用し価格を抑制できる
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まとめ:太陽光パネルと蓄電池の価格相場などの理解を深め、設置を検討しよう!
1. 太陽光パネル/蓄電池とは?
脱炭素の取り組みが推進される状況下で太陽光パネルや蓄電池という言葉をよく聞くようになりました。ここでは太陽光パネルとは、蓄電池とはどのようなものであるか基本的な概念をご紹介します。
太陽光パネルとは?
太陽光パネルとは、太陽光で発電させるために用いるパネルです。太陽光パネルは太陽電池で構成されており、日光が当たると、電気が発生する仕組みです。太陽光パネルの素材は主に3種類あります。
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シリコン系
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化合物系
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有機系
太陽光パネルは種類により鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質を含んでいるため廃棄する時は適切な方法で処分する必要があります。
出典:資源エネルギー庁『2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる?再エネの廃棄物問題』(2018/7/24)
蓄電池とは?
蓄電池とは繰り返し電力を貯めることができる電池のことです。蓄電池は主に3種類あります。
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鉛蓄電池
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アルカリ蓄電池
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リチウムイオン蓄電池
日本では、2012年以降、蓄電池の生産金額が増加傾向にあり、2019年度の電池全体における蓄電池の生産金額の割合は、92%以上を占めています。蓄電池の用途としては車載用の成長が著しいです。
出典:経済産業省『現代の生活に欠かせない電池の生産;乾電池は縮小、繰り返し使える蓄電池が成長をけん引』
2. 太陽光パネルの価格相場とこれまでの価格推移
太陽光パネルの価格相場は低減傾向にあり、太陽光発電設備の導入がしやすい状況にあります。ここでは、日本と国際市場における太陽光パネルの価格相場と推移についてご紹介します。
日本における太陽光パネルの価格相場の推移
太陽光発電設備の設置にかかる費用は、2013年以降低減傾向にあります。内訳を見ると、工事費はそれほど低減しておらず太陽光パネルの価格が安くなっています。10kW以上の太陽光パネルの価格は以下のように推移しています。
2013年 20.9万円
2014年 21.0万円
2015年 18.9万円
2016年 17.9万円
2017年 16.8万円
2018年 15.8万円
2019年 13.2万円
2020年 12.0万円
出典:資源エネルギー庁『太陽光発電について』(2020年11 月)(p. 29)
国際市場における、太陽光パネルの価格相場の推移
国際市場における太陽光パネルの価格相場は、2012年以降低減し、2019年以降は緩やかに低減しています。
出典:資源エネルギー庁『太陽光発電について』(2020年11 月)(p.26 )
3. 蓄電池の価格相場とこれまでの価格推移
蓄電池は容量が大きくなるほど価格が高くなるため、必要な容量に見合う蓄電池を購入することが大切です。ここでは、家庭用蓄電池の価格相場と業務・産業用蓄電池の価格の推移についてご紹介します。
家庭用蓄電池の価格相場
2019年度における家庭用蓄電システムの価格相場は、以下のように公表されています。
電池部分:5.9万円/kWh
蓄電システム:14.0万円/kWh
蓄電システム+工事費:18.7万円/kWh
2030年度の目標価格として蓄電システム+工事費で7.0万円/kWの案が出ていることから、家庭用蓄電池の価格相場は今後下がることが予想されます。
出典:経済産業省『定置用蓄電システムの目標価格および導入見通しの検討』(p.14.28)
業務・産業用蓄電池の価格推移
業務・産業用蓄電池の価格は、2016年から2019年にかけ以下のように推移しています。
電池部分:21.0万円/kWh→10.2万円/kWh
システム全体:35.5万円/kWh→19.5万円/kWh
家庭用蓄電池と同様に業務・産業用蓄電池の価格相場も今後下がることが予想されます。
出典:経済産業省『蓄電システムをめぐる現状認識』(p.36)
4. 太陽光発電/蓄電池を設置するメリット
企業や個人が太陽光発電や蓄電池を設備することでどのようなメリットが得られるのかについてご紹介します。
太陽光発電を設置するメリット
太陽光発電で発電した電力は、自家消費または電力会社に売電し収入を得ることができます。自家消費すれば電気代が高騰しても影響を受けません。日本は2050年までにカーボンニュートラルを実現させるために、電気自動車の普及を推進しています。太陽光パネルで発電すれば、スタンドを探さなくても電気自動車の充電ができるようになります。蓄電池と併用すれば、蓄電池に貯めておいた電力を災害時に使用することもできます。
蓄電池を設置するメリット
蓄電池を設置することで、太陽光発電などにより発電した電力を貯めておくことができます。過剰に発電した時は電力系統に負担がかかるため、蓄電池に貯めることで負担軽減にもつながります。蓄電池で貯めた電力は必要な時に消費できます。災害時用に自家消費することも可能です。
出典:資源エネルギー庁『知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~「蓄電池」は次世代エネルギーシステムの鍵』(2017/10/17)
5. 蓄電池の補助金制度
太陽光パネルも蓄電池も価格相場は低減傾向にあります。太陽光パネルの補助金制度は2014年に終了していますが、蓄電池に関しては国または各自治体の補助金を活用することでさらに価格を抑えることができます。ここでは、国や自治体が実施する補助金制度について一部ご紹介します。
(1)分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業
再生可能エネルギーを活用したDER(VPP)を行う事業者に対し、実証実験に参加することを条件に補助金を交付する事業です。太陽光発電設備をすでに設置しているか、太陽光発電と同時に蓄電池の設置を行う予定の事業者を対象としています。
出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ『令和3年度 分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業』
(2)災害等に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金
国から委託を受け、一般社団法人環境共創イニシアチブが実施している補助金事業です。PV設備(10kw未満)を併設する家庭用蓄電池を対象とし、補助金を交付します。
出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ『平成31年度「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」』
(3)自家消費プラン事業(東京都)
東京都が独自に実施している補助金事業で、蓄電池を設置した住宅に費用の一部を交付するものです。
出典:クール・ネット東京『(令和3年度)自家消費プラン事業』
6. まとめ:太陽光パネルと蓄電池の価格相場などの理解を深め、設置を検討しよう!
太陽光パネルや蓄電池の役割や価格の相場など、太陽光発電設備や蓄電池の導入をご検討中の法人の皆さまが知っておくべき基本的な知識についてご紹介しました。価格は低減傾向にあり、導入がしやすい状況にあります。太陽光発電や蓄電池にはそれぞれ多くのメリットがあるため、導入に踏み切る価値は高いです。太陽光パネルと蓄電池の価格相場などの理解を深め、設置を検討していただければと思います。