中小製造業が取り組むSDGsの事例を紹介!

今や中小製造業にとっても経営の持続可能性や新たなビジネスチャンスを獲得するためにSDGsへの取り組みは不可欠です。SDGsへの取り組みが評価されている中小製造業の事例を見てみましょう。

目次

  1. SDGsとは

  2. 製造業の経営とSDGs

  3. 製造業の開発とSDGs

  4. まとめ:SDGsを取り入れなければ生き残れない時代

1. SDGsとは

SDGsはSustainable(持続可能な)Development(発展・開発)Goals(目標・目的)の略です。2016年から2030年までに、経済・社会・環境の幅広い課題を世界全体で協力して解決するための17の目標が設定されています。

SDGsのポスター

出典:国際連合広報センター 『SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン』
製造業にとってのSDGs

SDGsは企業の事業そのものから、普段の省エネ、社員の福利厚生など、企業が行う全てとつながります。製造業もSDGsの目標のもと、今の社会のニーズだけでなく、持続可能な社会へと移行する将来のニーズにも対応できるような事業展開が必要です。

出典:環境省『すべての企業が持続的に発展するために』(2020年3月)

企業活動と SDGs のつながり、イラスト

出典:環境省『すべての企業が持続的に発展するために』(2020年3月)

2. 製造業の経営とSDGs

経営戦略

株式会社水島紙店は、産業構造の変化により印刷用紙の需要の減少と世界規模の脱プラスチックの動きを捉え、オーダー手提げ袋制作という新サービスを開始しました。「卸売業」という従来のビジネスモデルに捉われず、自社の強みを生かした新事業を立ち上げ、事業を多角化しながら、海洋プラスチックごみ問題の解決などのSDGsにも対応した経営戦略を行っています。

紙製手提げ袋、4種、写真

出典:関東経済産業局『SDGsに取り組む中小企業等の先進事例の紹介』

生産・サービス管理

株式会社中村製作所は、森林の適切な管理・環境・地域社会に配慮された木材や地域産材を活用した木材を、デザイン性の高い建材・インテリア材へ加工しています。これらの製品は、佐賀県庁や福岡県庁をはじめ、福岡市内の有名カフェ店など、SDGsを意識した地域の自治体・企業からの需要があり、「佐賀さいこう企業(2019年)」や「ウッドデザイン賞2018」などを受賞しています。

SKINWOOD、採用例、写真

出典:中小企業庁『SDGsへの取組』

人事・労働環境

谷水加工板工業株式会社は「社員個々の力を活かす経営を行いたい」という現代表の思いから、社員の人材育成に力を入れています。企業理念・経営理念を文書化するとともに、様々な研修へ定期的に社員を派遣、時には全社員が一同に受講する会社内での研修も実施しました。

研修期間中は工場をストップさせることになり、製造業にとって非常に大きな「投資」でした。この取り組みの成果により社員にも変化が現れ、業務改善などに対する意見が出るようになりました。

谷水加工板工業株式会社、人材育成研修、写真

出典:近畿経済産業局『中小企業のための SDGs 活用ガイドブック』p.31(2021年3月)

3. 製造業の開発とSDGs

新技術・新製品・新サービス

株式会社Paddy Field、アクリル製品、写真

出典:近畿経済産業局『中小企業のための SDGs 活用ガイドブック』p.28(2021年3月)

株式会社Paddy Fieldは、新技術「TAKUMI」の開発により、樹脂パーツの接着剤不要なジョイントを可能にしました。この技術を活用して、組み立て・分解が可能なアクリルパーテーションを製造しています。

不使用時に分解して保管・輸送でき、単一の素材を使用することで資源の再生利用もしやすく、資源循環と収益性を両立させた製品として評価されています。

アクリル接合、特許技術、TAKUMI、図解

出典:近畿経済産業局『中小企業のための SDGs 活用ガイドブック』p.26(2021年3月)

新市場の開拓

株式会社きぬのいえは2020年、布製品などの染め直しサービス「SOMA Re:」を始めました。サスティナブルな衣類の供給を目指し、SDGsの12番「つくる責任 つかう責任」に合致したアイデアです。

染め直し前後のシャツ、染色の様子、社長・職人、写真

出典:中小企業庁『SDGsへの取組』

4. まとめ:SDGsを取り入れなければ生き残れない時代

SDGシンボル

出典:国際連合広報センター『SDGsのアイコン』

世界全体が脱炭素・循環経済へと大きく移行していく中で、もはや中小企業であってもSDGsを取り入れた経営戦略をとっていかなければ、将来的に経営を持続していくことは困難な時代です。SDGsを理解し、自社とSDGsの各項目と紐づけを行うことにより、リスクとチャンスを見出し、企業の持続可能性と価値を高めましょう。

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