エアコンの節電が環境保護につながる!毎日の生活のチェックポイント

今や自宅やオフィスはもちろん、商業施設やコンビニなどでも当たり前に利用されているエアコン。温度や湿度を調整して快適な暮らしを実現してくれる便利なアイテムですが、環境への影響は見逃せないポイントです。

今回は、エアコンの節電によって環境へどんな影響があるのか、エアコン業界の環境への取り組みなどをまとめてお伝えします。

目次

  1. エアコンの節電と環境保護

  2. どこを見るべき?エアコンの節電チェックポイント

  3. 最新技術搭載!エアコン業界の環境への取り組み

  4. まとめ:毎日の生活の見直しで節電と環境保護を

1. エアコンの節電と環境保護

エアコンの利用率は、平成元年で60%、2011年以降は90%を超えておりほとんどの家庭に普及していると言える状態です。

また、エアコンによって温度を調整する触媒として搭載されているのが「フロンガス」と呼ばれる気体です。フロンガスには大きく分けて、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)とHFC(ハイドロフルオロカーボン)の2種類があります。

中でも、HCFCは地球のオゾン層を破壊する塩素を含んでいるので、地球温暖化の要因としても問題視されています。

出典:経済産業省『エアーコンディショナーの現状について P14』(2019年12月18日)

エアコンの節電は節約だけじゃない

エアコンは家庭内消費電力でトップクラスを占める家電で、電気代を抑えるという目的で節電する方も多いです。例えば夏に設定温度を1℃上げたら約840円、冬に1℃下げると年間で約1,430円もそれぞれ電気代を削減することができます。

また、電気代を抑えるということは消費電力を抑えることになります。日本において電力は火力や原子力といった環境への影響が大きいとされている発電がほとんどなので、エアコンを節電することで節約にも繋がり、環境への影響を抑えることにも繋がるのです。

出典:経済産業省『エアーコンディショナーの現状について P12』(2019年12月18日)

出典:経済産業省資源エネルギー庁『無理のない省エネ節約​』

環境保護とエアコンの関係

エアコンの触媒に使用されるHCFCは、地球の環境保全のために不可欠なオゾン層を破壊する塩素を含んでいるため、エアコンを使えば環境破壊に繋がるという図式が生まれます。

一方で、エアコンの利用は家庭やオフィス、大型商業施設など様々なスタイルがあり、全く使わないのは猛暑による熱中症など別のリスクを引き起こしかねません。使うユーザー側の意識はもちろん、エアコン自体の機能により、環境保護などを推し進めることも重要なポイントです。

出典:経済産業省『(1)フロンとは』

2. どこみるべき?エアコンの節電チェックポイント

エアコンは、2011年以降家庭普及率が90%を超え、オフィスや商業施設にはあって当たり前の家電です。だからこそ、どんな部分をチェックして導入すべきかを確認しましょう。

出典:経済産業省『エアーコンディショナーの現状について P14』(2019年12月18日)

エアコンの節電はどこをチェック?

エアコンの節電で大切なポイントは、エアコンの出力を抑えることと、エアコン以外にも工夫して環境を整えることです。例えば簡単な例で言うと、エアコンを使うときにフルパワーでなく弱や自動で利用するといったことが挙げられます。また、余計な負荷がかからないようにこまめにフィルターを掃除したり、室外機周りに排気を妨げるものは置かないなどの対策も有効です。

また、エアコン以外にも環境を整えることができます。扇風機を併用したり、夏場は室内にこもった熱気を換気してから冷房を使う、冬は熱吸収のカーテンにするといった工夫と一緒にエアコンを使うと効率が上がります。家庭はもちろん、オフィスや商業施設でも簡単に取り入れられる内容なのでぜひ試してみることをおすすめします。

出典:ダイキン工業株式会社『エアコン節電情報』

チェックの際の注意点

エアコンでの節電は、環境や節約といった面で重要なポイントですが、健康的な生活を損なうことは避けるようにしましょう。例えば、非常に暑い日にエアコンを付けないと熱中症のリスクが高まりますし、寒い季節には部屋が寒いままだと体調を崩してしまいます。環境、節約と自分の健康をバランスよく取り持ちましょう。

3. 最新技術搭載!エアコン業界の環境への取り組み

技術の発展に伴い、エアコン自体もどんどん進化しています。エアコン業界の環境配慮はどんな仕組みが実施されているかをチェックしましょう。

環境保護のためのエアコンの最新技術

エアコンにおける環境保護のための技術として、まず上げられるのがフロンガスを使わない技術です。元々、オゾン層を破壊する塩素を含んでいるHCFCを始めとする環境破壊物質について、1989年に発効された「モントリオール議定書」によって削減、撤廃を目標に世界中で取り組みが実施されました。

出典:環境省 モントリオール議定書『モントリオール議定書に基づくオゾン層破壊物質削減スケジュール』

環境に悪影響を及ぼすフロンガスなどが減少する中、代替フロンと呼ばれるHFCの利用が増えてきましたが、環境破壊を引き起こす成分を含んでいることが問題視されています。

現在、メーカーは二酸化炭素やアンモニアなど触媒になるものをエアコンに搭載していっています。また、AIが人を検知して適正な風量を判断することで、省エネと環境保護を両立するといった技術もあります。特に企業は一度エアコンを決めるとすぐに買い換える訳にもいきません。様々な情報を入手し、どの機種がおすすめなのかを判断していきましょう。

出典:環境省『ノンフロンで省エネ&エコに冷やす』(p.4)

ユーザーとして環境のためにできることとは

ユーザーとして、エアコンの快適さと環境保護を両立するのは無駄な利用を控えるということが挙げられます。設定温度を1℃変える、扇風機を併用する、換気してから冷房を入れるなどの工夫も合わせて行うことで、快適さと環境保護だけでなく節約まで賄えます。

4. まとめ:毎日の生活の見直しで節電と環境保護を

毎日の生活に欠かせないエアコン。だからこそ、節約だけでなく環境保護にもぜひ目を向ける必要があります。そもそも、エアコンなどで使われてきたHCFCなどのフロンガスはオゾン層を破壊するので温暖化の要因となっていました。

一方で、エアコンは健康的な生活を送るためにも室内環境を整えるという重要な役目も担っています。そこで生まれたのが、快適さと環境への配慮を両立させる仕組みとして環境に悪影響を及ぼしにくい代替フロンガスやノンフロンを触媒とするタイプのエアコンです。

また、そもそもエアコンを使うときの発電量を抑えることで、火力発電や原子力発電による環境への影響を抑えるといった取り組みも効果的です。さらに、そもそもエアコンを動かす電力を太陽光発電などクリーンエネルギーで賄えれば、より環境への影響は少なくなります。

効率の良いオフィス運営において、エアコンの設置は健康インフラとも呼べるレベルで必須条件と考えられます。だからこそ、代替フロンやノンフロンタイプのエアコンを選んだり、電気使用量の低下やクリーンエネルギーの活用といった点が企業として取り組みやすいポイントではないでしょうか。ぜひ、健康と環境への配慮を両立できるタイプのエアコンを選んでくださいね。

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