企業240社超が加盟する「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」が国会議員連盟「超党派カーボンニュートラルを実現する会」に手交

2024年7月2日、脱炭素社会の実現に取り組む企業244社が加盟する日本気候リーダーズ・パートナーシップ(以下 JCLP)が、国会議員連盟「超党派カーボンニュートラルを実現する会」(議連)の総会に参加し、「日本の次期温室効果ガス削減目標およびエネルギー基本計画に対する提言」を手交しました。

「アスエネメディア」を運営している、アスエネ株式会社はJCLPに正会員として加盟しています。

「超党派カーボンニュートラルを実現する会」総会は、共同代表の自民党・小渕優子衆院議員の言葉で幕を開けました。

「去年は観測史上最高に暑い夏でしたが、今年もそれに匹敵するような暑い夏になりそうです。そしてやはり心配されるのが水の被害です。すでに局地的に雨が降っていますし、全国各地で今年もどんな災害が起こるか心配されるところです。気候変動対策を政治の場からしっかり後押しをしていきたいと思っております」

と気候変動対策に意気込みを見せました。

また、立憲民主党の福山哲郎参院議員は「世界中で本当に考えられないような異常気象が起こっています。もうすでに人間社会に確実に影響を及ぼしています」と話しました。

続けて、「我々は超党派の仲間ですので、党派のいろんな利害を超えて、地球、そして人類のために何とかよい形で気候変動対策を進めていきたい。今日の提言は企業や研究所の参加もあり、大切な提言になってると思いますので、しっかり受け止めて、各党・政府に強く求めていきたいと思います」と政党の枠を超えた取り組みを促しました。

一方、JCLPは共同代表を務める、リコーの山下良則代表取締役会長と戸田建設の今井雅則代表取締役会長が民間企業の立場で、気候変動対策への思いを語りました。

2023年12月にCOP28の報告会をした際、今年は非常に大事な年になるので、前向きな政策の後押しをするような企業行動をしていきたいというふうに申し上げました。今日はその約束を守るべく来ました」(リコーの山下良則代表取締役会長)

「建設業を含めたエッセンシャルワーカーが、温暖化で夏場はもう働けなくなってきています。生産性だけでなく、人権の問題に関わってくるような厳しい状況に、ますますなってきています」(戸田建設の今井雅則代表取締役会長)

そして、

JCLPから「超党派カーボンニュートラルを実現する会」に手交された「日本の次期温室効果ガス削減目標およびエネルギー基本計画に対する提言」は、3つの提言から構成されています(提言の内容は以下の通り)。

提言(1): 2035年までにGHG排出量75%以上削減(2013年度比)を求めます。

  • 国際合意の基礎であるIPCCは、気温上昇を1.5℃に抑えるため、世界全体で67%の削減(2013年度比)が必要と指摘。 日本は、世界をリードする先進国として、より高いレベルの削減が必要。

  • 国際合意・各国政策は「1.5℃目標」に近づくように一貫して変化。日本でも官民で共有できる目標を持つことが、企業に中長期の見通しを与え、投資を促す。

提言(2): 2035年の電源構成における再エネ比率60%以上を求めます。

  • 国際的に企業の競争力を維持・向上させるため、安価・安定的に再エネが調達できる市場環境が必要。

  • 電化・デジタル化で電力需要が増加しても、 エネルギー利用を効率化し 、再エネ中心の電力システムで安定供給と電力の脱炭素化は可能。

  • 再エネの普及拡大と産業化は、エネルギー安全保障(自給率向上)に寄与。海外への資本流出を減少させ、毎年15兆円以上を国内に振り向け、新たな産業と雇用を産み、経済の好循環を実現。

提言(3): エネルギー需要家の参画機会を増やす等、政策の「決め方」の改善を求めます。

  • 今後のエネルギー需給で重要な役割を果たす先進的な需要家の声を政策検討に活かすことを求める。

  • 業種・立場のバランスの取れた政策決定プロセスであるべき。また、積上げだけでなく、科学と国際合意を踏まえたバックキャストも政策検討に組み込むべき。 

加えて、2035年までにGHG排出量75%以上削減、再エネ比率60%以上を実現するため、「再エネ」「建物」「自動車」「製造業」「カーボンプライシング」の5つの部門についての具体的な政策提言も行なわれています。

より詳細な提言の内容はこちらをご覧ください。

官民が連携した気候変動対策の取り組みが期待されます。

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