CO2排出量削減計画はどう策定する?抑えておきたい基礎ポイントを解説!
- 2023年07月31日
- CO2削減
CO2排出量削減に取り組むことは、持続可能な企業であるために欠かせないものとなりました。企業はCO2排出量削減計画に基づきCO2削減に取り組むことになりますが、どのように削減計画を策定すればよいのでしょうか。この記事では、CO2排出量削減計画を策定する意味や削減計画の立て方、企業のCO2排出量削減計画の事例などについてご紹介します。
目次
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なぜCO2排出量削減計画を策定するのか?
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環境省が提供するガイドを参考に策定
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CO2排出量削減計画事例
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まとめ:CO2排出量削減計画を策定し、脱炭素経営に取り組もう!
1. なぜCO2排出量削減計画を策定するのか?
脱炭素に取り組む企業向けに、環境省が脱炭素経営の手順を示しています。CO2排出量削減計画はどの段階で策定することが望ましいとされているのか、そもそもなぜCO2排出量削減計画を策定するのかについてご紹介します。
なぜCO2排出量削減計画を策定するのか?
CO2排出量削減計画を策定しないと効率的に有効なアクションを起こすことができないため、人やモノ、金の浪費リスクがあります。無駄を省き効率的に脱炭素経営を行うためには、CO2排出量削減計画を策定する必要があります。CO2排出量削減計画を策定しないと、効率的に有効なアクションを起こすことができません。そのため人やモノ、カネなどの有限資源を浪費する恐れがあります。
出典:環境省『脱炭素経営の手順とは?』(2022/7/28)
CO2排出量削減実施までの流れ
環境省は脱炭素経営の流れを次のように示しています。
1. 事業に影響を与える気候関連リスクと機会の把握
2. サプライチェーン排出量の算定
3. 排出削減目標の設定
4. 排出削減計画の策定
5. 削減対策の実行/脱炭素を前提とした事業遂行
CO2排出量削減に取り組もうとする企業は、気候関連リスクと機会の洗い出し、サプライチェーン排出量の算定、排出削減目標の設定という3つのフェーズを経て初めて排出削減計画の策定を進める必要があります。
出典:環境省『脱炭素経営の手順とは?』(2022/7/28)
2. 削減計画策定で参考にする環境省のガイド
環境省は脱炭素経営を始める企業向けに様々なガイドを提供しています。CO2排出量削減計画を策定する際に、目的に合うガイドを選択して参考にしましょう。
中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック
環境省は中小規模の事業者が脱炭素経営に取り組む際に参考となるハンドブックを提供しています。脱炭素経営を実現させるためには、省エネルギーなどだけに徹するだけでは不十分であり、再生可能エネルギー由来の電力の導入などを検討することが求められます。CO2排出量削減計画を策定する手順が以下のように示されていますが、3番目に再生可能エネルギー電気の調達手段の検討が盛り込まれています。
出典:環境省『中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック』(2021/10/24)(p.20)
SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック
脱炭素への関心の高まりにより、SBTに取り組む企業が増えています。日本は特にSBTへの関心が強い国で、2022年10月3日時点における日本企業の認定数は、イギリスに次ぐ第2位です。
環境省は企業のCO2排出量削減計画の策定を後押しする目的で、SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブックを提供しています。SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブックは、企業の経営者や経営に携わる管理職など向けに、成長戦略として削減計画を策定する際のポイントや事例を紹介しています。
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削減計画の策定は、以下の流れで記載されております。
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経営課題としてのGHG排出削減の重要性を理解する
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排出削減に向けた将来の事業環境変化を見通す
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自社のGHG排出の現状と今後の見通しを把握する
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排出削減のための取り組みを構想する
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目標達成に向けたロードマップを策定する
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自社の取り組みを社内外のステークホルダーに伝える
出典:環境省『SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック』(2021/3/1)(p.4,72〜83)
出典:環境省『SBTに参加している国別企業数』(2022/10/3)(p.41)
3. CO2排出量削減計画事例
様々な企業や自治体がCO2排出削減計画を策定し、CO2排出量削減に取り組んでいます。企業や自治体のCO2排出量削減計画の事例を紹介します。
三和興産
愛知県一宮市にあるアスファルト合材の製造や販売など様々な事業を行っています。CO2排出量を大幅に削減するためには、アスファルト合材の製造過程で加熱用として使われる重油の対策が鍵を握ることから、重油の燃料転換を重点的に検討しています。
出典:環境省『中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック』(2021/10/24)(p.30)
株式会社大川印刷
印刷業を手掛ける株式会社大川印刷は事業を通じて社会問題解決に取り組んでいます。長年環境や社会性を重視した事業活動に取り組んでおり、2016年度にScope1・2のゼロを達成し2018年度には環境省中小企業版2℃目標・RE100の設定支援事業に選定されました。
2030年にはScope3のゼロを目標に省エネ設備への切り替えやサプライチェーン排出量の削減に取り組んでいます。
出典:環境省『中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック』(2021/10/24)(p.9)
4. まとめ:CO2排出量削減計画を策定し、脱炭素経営に取り組もう!
企業が効率的に脱炭素経営を行うためには、CO2排出量削減計画の策定は欠かせません。環境省がCO2排出量削減計画の策定を後押しするために、様々なガイドを提供していますので活用し、CO2排出量削減計画の策定に役立てましょう。