TCFDサミットとは?概要や参加する方法などわかりやすく解説!

2019年10月に、日本で世界各国の産業界や金融界のリーダーが集まりTCFDサミットが開催されました。TCFDサミットはオンラインで視聴することができます。オンラインでTCFDサミットに参加することで、「気候関連財務情報開示」に関する情報を得ることができます。

企業にとっても貴重な機会ですので、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に関する知識を深め、TCFDサミットに参加しましょう!この記事ではTCFDに関する基礎知識やTCFDサミットの概要、TCFDサミットに参加するメリットや参加方法などについてご紹介します。

目次

  1. TCFDに関する基礎知識

  2. TCFDサミットの概要

  3. TCFDサミット参加のメリットや参加方法

  4. まとめ:TCFDに関する知識を深め、TCFDサミットに企業も参加しよう!

1. TCFDに関する基礎知識

2015年12月に金融安定理事会が中心となり、TCFDと呼ばれる民間主導の組織を立ち上げました。ここではTCFDとはどのような組織なのか、誕生した背景などTCFDに関する基礎知識をご紹介します。

TCFDとは?

TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)は「気候関連財務情報開示タスクフォース」と訳されています。TCFDは金融世界経済に関する首脳会合であるG20からの要請を受け、金融安定理事会が2015年12月に設置した民間主導の機関です。2021年7月26日時点でTCFDへ賛同する企業や機関の数は2350ありますが、その中で最も多くを占めるのが日本で、451の企業や機関が賛同しています。

出典:経済産業省『企業の環境活動を金融を通じてうながす新たな取り組み「TCFD」とは?』(2019/9/3)
出典:TCFDコンソーシアム『TCFDとは』(2021/7/26)

TCFDの主な役割は、気候変動の対応に関する情報を企業に開示するよう促すことです。企業には「ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標」の4つの観点から情報を公開することが求められます。

出典:経済産業省『気候変動に関連した情報開示の動向』

TCFDが誕生した背景

CSR活動やESG投資への関心が高まりを見せる中、G20の要請を受け、金融安定理事会が中心となり2015年12月にTCFDが誕生しました。

CSRは「企業の社会的責任」と訳されており、企業が社会や環境と共存しながら事業活動を行い、その影響について全てのステークホルダーに対し責任を持つというのが基本的な考え方です。ESG投資とは財務情報だけでなく「環境・社会・ガバナンス」の観点も含めて企業を評価し、投資を決めることです。

このように企業を評価する際に、環境問題への取り組みが重視されるようになった中で、気候変動に関する情報開示を企業に求めることで、企業の環境活動を促進していこうというのがTCFDの大きな目的です。

企業が環境問題に対してどのような対応をしているかを公開することは、気候変動問題への貢献になるだけでなく、消費者や投資家など様々なステークホルダーからの信頼獲得にもつながります

出典:経済産業省『企業会計、開示、CSR(企業の社会的責任)政策』
出典:経済産業省『ESG投資』

 

2. TCFDサミットの概要

TCFDの主な役割である気候関連財務情報開示に関する知識や情報を収集できるのがTCFDサミットです。ここではTCFDサミットとはどのようなサミットで、かつどのような内容なのかなどについてご紹介します。

TCFDサミットとは?

TCFDサミットは、経済産業省の主催で開催されているサミットです。TCFDサミットの歴史はまだ浅く、これまでに2回開催されています。環境と成長の好循環を実現させるためにTCFDへ賛同する企業を増やすことが、TCFDサミット開催の大きな目的です。第1回目は2019年10月に東京で開催され、第2回目はオンライン形式で開催されています。第2回目のTCFDサミットは、事前登録することで無料で視聴することができる形で開催され、視聴登録者は約3200名だったと経済産業省は発表しています。

出典:経済産業省『TCFDサミット2020を開催します』(2020/9/1)

TCFDサミットの内容

TCFDサミットでは、世界各国の産業界や金融界のリーダーが主導となり、気候関連財務情報開示に関する情報などを発信します。第1回目となるTCFDサミットでは、グリーン投資ガイダンスの公表や、TCFDが民間投資を促し、社会を低炭素経済に移行させる上で重要な役割を担っている組織であるとの認識の共有などが行われました。グリーン投資ガイダンスとは、TCFDによる開示情報を読み解く際のポイントを投資家の目線で解説している手引き書ですが、投資家の考え方に関する理解が深まるため企業にとっても非常に役立ちます。

出典:TCFDサミット『概要』

3. TCFDサミット参加のメリットや参加方法

TCFDサミットがオンラインで開催されるようになったことから、企業も事前登録することで、TCFDサミットの様子を視聴できるようになりました。ここでは企業がTCFDサミットに参加するメリットや視聴する方法についてご紹介します。

TCFDサミットに参加するメリット

経済産業省は「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021」と題し、2021年10月に8つの会議を開催します。その中に第3回TCFDサミットも含まれています。TCFDサミットをオンラインで視聴することで、カーボンニュートラルに向けた取り組みやグリーン投資に関する知識など企業の経営に影響を与える様々な有益な情報を得ることができます。TCFDに賛同する企業が日本を中心に増加していることから、TCFDそのものに関する理解を深めることができることも企業にとってのメリットだと言えます。

出典:経済産業省『「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021」を開催します』(2021/7/14)

TCFDサミットに参加する方法

第3回目TCFDサミットが、2021年10月5日にオンサイト・オンラインのハイブリッド形式で開催される予定であることが発表されました。(2021年7月25日現在)TCFDの公式ホームページで情報は順次公開される予定です。TCFDサミットをオンラインで視聴する申込み方法についてはまだ公表されていないため、ここでは2020年の方法をご紹介します。

TCFDサミットの視聴は無料ででき、9月1日から経済産業省の公式ホームページから事前登録の受付が開始しました。公式ホームページからライブ配信視聴の事前登録をすることができます。

出典:経済産業省『TCFDサミット2020を開催します』(2020/9/1)

4. まとめ:TCFDに関する知識を深め、TCFDサミットに企業も参加しよう!

TCFDやTCFDサミットに関する基本的な知識についてご紹介しました。世界各国の産業界や金融界のリーダー達がTCFD提言の重要性を訴えていることから、今後もTCFDに賛同する企業は増加する見通しです。

TCFDサミットに関しても、第2回はオンライン視聴者が約3200名と、注目の高さが分かります。TCFDサミットは、企業にとって多くの有益な情報を得られる機会ですので、オンライン視聴することをおすすめします!

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