SDGs とは?17の目標を紹介!〜SDGsで企業価値を高めよう〜

みなさんは「SDGs」をご存じでしょうか。そもそもなんて読むのかも分からない。そんな方もいらっしゃるかもしれません。答えはエス・ディー・ジーズと読みます。

英語で、”Sustainable(持続可能な)、 Development(開発)、 Goals(目標)” つまり、「持続可能な開発目標」という意味です。難しそうと感じられるかもしれませんが、この記事を読み終えるころには、SDGsに対する理解が深まり、SDGを達成することが何故重要かをご理解いただけると思います。

目次

  1. SDGs とは何か。基本情報を整理

  2.  上記課題を解決するための17の目標とは 

  3. 17の目標を達成するための各ターゲットとは

  4. 今、SDGsが話題となっている理由と日本の動き

  5. 持続可能な社会を目指して、個人と企業が取り組むべきこと

1. SDGs とは何か。基本情報を整理

 まず最初に、SDGsの基本情報を整理していきます。SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、当時の国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた、”持続的な開発目標”です。それでは、この15年で一体何を達成することが目標なのでしょうか。

それを理解する助けとして、SDGsが策定される以前の話を整理しておきましょう。 実は、SDGsは2015~2030年のさらに15年前、つまり2000年に国連のサミットで採択された「MDGs(エムディージーズ/ミレニアム開発目標)」が2015年に達成期限を迎えたことを受けて、MDGsに代わる新たな世界の目標として定められたものなのです。

 それまでのMDGsは、以下の8つのゴールを掲げていました。

ゴール1:極度の貧困と飢餓の撲滅

ゴール2:初等教育の完全普及の達成

ゴール3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上

ゴール4:乳幼児死亡率の削減

ゴール5:妊産婦の健康の改善

ゴール6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止

ゴール7:環境の持続可能性確保

ゴール8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

出典:外務省『ミレニアム開発目標(MDGs)』 

「極度の貧困と飢餓の撲滅」「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止」などが織り込まれていることから、皆さん理解いただけるかと思いますが、MDGsは先進国による途上国の支援を中心とする内容でした。しかし、MDGsについては、途上国からこんな意見も出ていました。

『乳幼児死亡率の削減など、発展途上国が抱える問題を挙げ、解決策を探った。だが、その内容は先進国が決めており、途上国からは反発もあった。進展には地域の偏りなどの「見落とし」があったとも指摘された。』

出典:朝日新聞デジタル『SDGsって何?』

つまり、発展途上国と先進国、それぞれの思惑があり、決して一枚岩ではなく、皆が納得する目標ではなかったということが、問題だったのです。

それを受け、2015年に新たに策定されたSDGsは、誰ひとり取り残さないこと、皆が納得することを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成されているのが特徴です。

 2. 上記課題を解決するための17の目標とは 

本章では、本題であるSDGsの2016年から2030年の15年間で達成するための17の目標に関して具体的に説明していきます。

出典:外務省『持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組(PDF)』

上記のアイコンご確認頂くと、貧困や飢餓といった問題から、教育、働きがいや経済成長、気候変動やクリーンエネルギーに至るまで、21世紀の世界が抱える課題、また今後深刻化するであろう懸念事項を包括的に取り上げていることが見て取れます。ここから、17つの目標を3グループに分けて紹介していきます。

【1から6の目標】

この6つの目標を見てみると、貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など開発途上国に対する支援に見えます。しかし実際には日本を含む先進国にも貧困層といわれる方々はいます。日本でみると、教育水準や大学の格付けも他のアジア諸国に追い抜かれていることを踏まえると、これらの問題を解決することは、非常に大切だと考えられます。

 【7から12の目標】

エネルギーの話、働きがいや経済成長の目標に加え、街造りの課題が述べられています。これらはまさに先進国である日本も密接に関係する目標であるといえます。

 【13から17の目標】

気候変動の話、海の話や陸の話等、地球規模の壮大なテーマとなります。もはや開発途上国や先進国といったレベルの類ではなく、全人類共通の全体的・包括的な課題に対する目標と考えられます。

3. 17の目標を達成するための各ターゲットとは

上述の、17の各目標に対し、それらを達成するために必要な具体目標(ターゲット)が、それぞれ5から10程度、計169設定されています。少し細かい話になるため、今回は17の目標を理解していただければ充分です。

詳細は下記の日本ユニセフ協会のホームページをご参照ください。169個の個々のターゲットに関して、詳細を理解していただけると思います。

出典:日本ユニセフ協会『持続可能な開発目標(SDGs)とターゲット』

4. 今、SDGsが話題となっている理由と日本の動き

前章までで「SDGsとはどういったものか」「目標としてどのようなものがあるか」などの概要を説明してきました。本章では、「いま何故、今SDGsが話題となっているのか」という点を考察していきます。

日本でSDGsが注目される前から、世界ではそれに先駆けた動きがありました。きっかけは2006年、当時の国連事務総長であるアナン氏が金融業界に向け、責任投資原則(PRI)を提唱したことです。

ここで提唱されたのは、機関投資家(大規模な投資を行う企業・金融機関などの投資家)が投資をする際に、ESG[環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)]課題を反映させることでした。

つまり、投資家は企業への投資をする際に、その会社の財務情報だけを見るのではなく、環境や社会への責任を果たしているかどうかを重視すべきだという提言が国連によってなされたのです。

日本では、2010年に世界最大級の機関投資家である GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRIに署名。日本企業は機関投資家から、汚染物質の排出状況や商品の安全性、供給先の選定基準や従業員の労働環境といった、ESGにもとづく非財務情報の開示を求められるようになりました。

これをきっかけに、投資を受ける日本企業の間にも、もっとESGを考慮しようという動きが広まりました。SDGsはいま日本企業にとって、ESGを考える上での大きな指標になっているのです。

5. 持続可能な社会を目指して、個人と企業が取り組むべきこと

持続可能な未来のためにSDGsを理解し、社会課題に関心を持つことは非常に大切です。 それでは「私たちは、未来に向けて、なにをすべきか」、「どのように取り組むべきか」を考えていきましょう。

SDGsは、普遍的な目標として「誰も置き去りにしない」という約束を掲げています。先進国と途上国、そして企業と私たち個人がともに手をとって目標達成のために努力をしていかなければ、貧困の解消や格差の是正といった深刻な問題を解決することはできません。私たち一人ひとりにも、できることは数多くあります。2030年の世界を変え、その先の未来に引き継いでいくためには、SDGsを特別なものとしてではなく、「自分ごと」として捉え、それぞれの活動、生活の中に浸透させていくことが大切です。

次に企業規模の視点で考えてみましょう。前述のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のPRIに署名の動きを受け、環境や安全面を考慮した製品づくり、商品を販売することは企業として非常に重要な指標であると広く認知されるようになってきました。機関投資家がSDGsに関する指標を重要視し、それを満たしていることが投資の条件と考えるようになってきたからです。

逆に、企業として、SDGsを正しく理解し、それをうまく取り入れることで、時流に沿った製品の販売等のマーケット戦略をとることができ、企業価値を高めることができます。具体的な事例は別の記事にて紹介していますのでぜひご参照ください。

みなさんが本記事から「会社でSDGsを広めていこう」と感じていただき、将来、 みなさんの会社が、SDGsを通じて大きく発展すること、またみなさんの自分自身のこれからの人生に役立てていただければ幸いです。

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