IT業界は「SDGs」にどう取り組む?事例紹介

IT業界はどのようにSDGsに取り組めばよいかお悩みではないでしょうか。日本では、内閣府が進めている『Society 5.0』の構想がSDGsに通じることも後押しし、SDGsへの取り組みがIT業界においても注目を集めています。

企業が生き残るために、SDGsへの取り組みは全ての業界に欠かせないもので、IT業界もまた例外ではありません。時代の流れに敏感な企業は、すでにSDGsの17ある目標の中から選択し、課題解決に向けた取り組みを始めています。SDGsへの取り組みが評価されているIT関連企業の事例をみていきましょう。

目次

  1. SDGsに関する基礎知識

  2. IT業界が取り組むSDGsの一般的な例

  3. IT関連企業のSDGs事例

  4. まとめ:IT業界のSDGsへの取り組みを参考に、取り組みを始めよう!

1. SDGsに関する基礎知識

様々な業界で取り組みの輪が広がっているSDGsとはどのような構想なのでしょうか。ここではSDGsの概念やIT関連企業がSDGsに取り組む意義についてご紹介します。

SDGsとは?

SDGsとは、2015年9月に国連サミットにおいて加盟国の全会一致により採択された、世界が共通に掲げる目標です。2030年までに解決すべき課題が17の目標にまとめられています。

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

出典:国際連合広報センター『SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン』

出典:外務省『SDGsとは?』

IT関連企業がSDGsに取り組む意義

内閣府が進めている『Society 5.0』の構想がSDGsに通じることから、SDGsにすでに多くのIT関連企業が取り組んでいます。

Society5.0のイメージ1

出典:内閣府『Society5.0とは』

Society 5.0が実現する社会では、IoTにより全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、新たな価値が生み出されることで社会が抱える課題や困難が克服されます。このような状況下においてSDGsに取り組まない企業は、社会が抱える課題に対して意識が低いとみなされてしまいます。企業のイメージを向上させ、ステークホルダーとの信頼を強化させるためにIT関連企業がSDGsに取り組むことは意義があります。

Society5.0のイメージ2

出典:内閣府『Society5.0とは』

2. IT業界が取り組むSDGsの一般的な例

IT関連企業は、以下にあげるような様々なSDGsに取り組むことができます。

  • 在宅勤務の推進によるCO2削減

従業員に在宅勤務を推進することで、通勤により排出されるCO2の削減や省エネルギーに取り組むことができます。この取り組みはSDGs目標の7番や13番に該当します。

  • 技術の提供による貧困の解決

IT関連企業が保有する技術を諸外国に提供することで、貧困問題の解決に貢献できます。この取り組みは1・2・3・10・16番などに該当します。

  • 従業員の教育

IT業界は変化が激しいことから、最先端技術に対応できるよう従業員の育成に力を入れることもSDGsへの取り組みになります。この取り組みは4番や8番に該当します。

3. IT関連企業のSDGs事例

NEC(日本電気株式会社)

NECが取り組むSDGsは、他機関との連携により実施されているものも多いです。

  • デジタル化による気候変動等に柔軟に対応したサステナブルな農業の実現

NECはカゴメ株式会社と連携し、ポルトガル農場において衛星やドローン、センサーなどを用い、農作物の収穫量の増加と栽培効率化の実現に成功しています。

この取り組みは、SDGsの目標2番『飢餓をゼロ』に、12番『つくる責任 つかう責任』、13番『気候変動に具体的な対策を』に該当します。

  • ワクチン普及を目的とする1〜5歳の幼児に対する指紋認証の有効性の検証

ワクチンを接種することができれば、年間150万人もの子供の生命が救われます。

NECは途上国のワクチン普及に取り組むGaviワクチンアライアンスに賛同し、指紋認証の有効性を検証しています。この取り組みは、SDGsの目標3番『すべての人に健康と福祉を』に該当します。

  • デジタルホスピタルの実現に向けた医療法人社団KNIの共創

少子高齢化が急速に進む日本は、年金や医療、福祉など様々な課題を抱えています。NECは医療法人社団KNIと連携し、AI やIoTなどのデジタルテクノロジーを医療に導入したデジタルホスピタル構想の実現に向け、開発を進めています。

出典:NEC『SDGs貢献事例: SDGs達成に貢献するNECの取り組み』

SCSK株式会社

ITサービスやソリューションの創造・提供などにより、社会が抱える課題解決のために貢献することを目的にSDGsに取り組んでいます。

  • サイバーセキュリティに対応できる人材の育成

セキュリティに対応できる人材の不足を社会が抱える重要な課題であると捉えており、サイバーセキュリティに対応できる人材の育成に取り組んでいます。この取り組みは、SDGsの目標4番『質の高い教育をみんなに』、9番『産業と技術革新の基盤をつくろう』、16番『平和と公正を全ての人に』に該当します。

  • AIの活用による人材不足の解決

AIを用いたFAQ回答システムを導入することで、コールセンターへの問い合わせを削減しています。労働力不足の解決だけでなく、サービス品質の強化も実現しています。この取り組みは、8番『働きがいも経済成長も』、9番『産業と技術革新の基盤をつくろう』に該当します。

  • 未来の車づくりのサポート

車載システム開発に携わってきた知見とノウハウを活用し、技術を提供することで、質が高く効率的な車載開発に貢献しています。この取り組みは、3番『すべての人に健康と福祉を』、9番『産業と技術革新の基盤をつくろう』に該当します。

出典:SCSK株式会社『事業を通じた社会課題を解決』

4. まとめ:IT業界のSDGsへの取り組みを参考に、取り組みを始めよう!

IT関連企業では、自社が保有するAIなどテクノロジーを活用しSDGsに取り組んでいる事例が目立ちます。今回ご紹介したIT業界の取り組み例などを参考に、取り組みを始めましょう。

アスエネESGサミット2024資料 この1冊でLCAの基礎を徹底解説資料 サプライチェーン全体のCO2排出量Scope1〜3算定の基礎を徹底解説
アスエネESGサミット2024