農業におけるSDGsの事例!取り組み方も紹介

スマート農業が進む中、農業におけるSDGsの取り組みは必須のものとなってきています。農業は若手労働者の確保や地球温暖化進行、食糧の安定供給など、さまざまな課題を抱えています。

SDGsに取り組むことは、これらの課題の解消につながります。さらには、SDGsに取り組む企業として農園のPRにつなげることができ、より良い効果が期待できるでしょう。この記事では、農業におけるSDGsの取り組みを紹介します。SDGsの取り組み事例を参考に、自社でもSDGsに取り組んでみましょう。

目次

  1. SDGsとは?

  2. 農業×環境の取り組み事例

  3. 農業×食糧提供の取り組み事例

  4. 農業×労働者の取り組み事例

  5. 農業×生物多様性の取り組み事例

  6. まとめ:農業のSDGsの取り組み事例を参考にブランド力を上げよう!

1. SDGsとは?

SDGsとは、さらには農業におけるSDGsとは何でしょうか。ここでは、SDGsの概要と農業とSDGsについて説明します。

SDGsとは

SDGsとは、「持続可能な開発目標」のことで、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標です。17のゴールと169のターゲットがあり、地球上の「誰一人取り残さない」ことを謳っています。

SDGsのロゴ

出典:外務省『持続可能な開発目標(SDGs)達成に 向けて日本が果たす役割』(2021/8)

出典:外務省『SDGsとは?』

農業とSDGs

農業とSDGsと聞くと、「環境」にフォーカスした問題改善のイメージが強いかもしれません。ですが、農業は「環境」の分野以外にも、「食料提供」、「労働」、「生物多様性」においてさまざまな課題を抱えています。農業に関連する4つの分野について、それぞれの課題と該当するSDGsは以下のようになります。

  • 農業×環境

生産活動の効率性や食生活を優先した農業は、環境に負荷がかかります。該当するSDGsは、SDGs7番「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」・SDGs11番「住み続けられるまちづくりを」・SDGs13番「気候変動に具体的な対策を」です。

  • 農業×食糧提供

食糧提供での課題は、農家の供給と食材を使う人の需要の相違や、安定した食糧供給が挙げられます。該当するSDGsは、SDGs3番「すべての人に健康と福祉を」・SDGs12番「つくる責任・つかう責任」・SDGs13番「気候変動に具体的な対策を」・SDGs15番「陸の豊かさを守ろう」です。

  • 農業×労働

労働の課題としては、若手の労働者の確保、農業継承者へのノウハウの伝授などが挙げられます。該当するSDGsは、SDGs8番「働きがいも経済成長も」・SDGs9番「産業と技術革新の基盤をつくろう」です。

  • 農業×生物多様性

生物多様性の維持は、農産物の生産や景観に影響します。該当するSDGsは、SDGs2番「飢饉をゼロに」・SDGs13番「気候変動に具体的な対策を」・SDGs14番「陸の豊かさを守ろう」・SDGs15番「陸の豊かさを守ろう」です。

農業におけるSDGsの取り組み方

農業におけるSDGsの取り組みの例としては、以下のようなものがあります。

  • ソーラーシェアリングを設置する

  • 省エネルギー型の生産管理に取り組む

  • 従業員の働く環境を改善する

  • 食品ロスを軽減する

  • スマート農業に取り組む

  • 障害者などの雇用を生み出す

  • 有機農業の推進

以下で紹介する事例も参考に、自社で取り組めることを検討してみましょう。

2. 農業×環境の取り組み事例

農業と環境に関するSDGsの取り組み事例を紹介します。

株式会社サンフレッシュ小泉農園

株式会社サンフレッシュ小泉農園では、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を導入しています。ソーラーシェアリングとは、太陽光で農作物を作りながら太陽光発電もするという取り組みです。農地に支柱を立てて上部は太陽光発電、下部で農作物の生産を行う仕組みです。発電した電気はハウス内の暖房に使われ、年間で600万円ほどの電気代の削減につながりました。

出典:農林水産省『営農型太陽光発電について』

日本フードエコロジーセンター

日本フードエコロジーセンターでは、「エコフィード」という液体発酵飼料を開発することによって大量の食品ロスと焼却コストを削減するリサイクル技術を提案しました。食品廃棄物から液体発酵飼料を製造するリサイクル技術のノウハウは誰にでも公開されています。

出典:国立研究開発法人科学技術振興機構『大量の食品廃棄物をリサイクルして循環型社会を目指す』(2021年7月28日)

3. 農業×食糧提供の取り組み事例

農業と食糧提供に関するSDGsの取り組み事例を紹介します。

SEND株式会社

SEND株式会社は、農地と都心部をつなぐ商品配達業者です。生産者と買い手を繋いで地域の農業が持続的に活性化する流れを目指しています。食べ物を購入者へ届けるだけでなく、購入者のニーズを産地へ届けることによって「作ったけど売れない」などの悩みを解消し、作られた食べ物をロスなく持続的に届ける仕組みを作っています。

出典:SEND『ABOUT SEND』

4. 農業×労働の取り組み事例

農業と労働に関するSDGsの取り組み事例を紹介します。

有限会社フクハラファーム

有限会社フクハラファームは、スマート農業に取り組んでいます。仕組みはまず、経営者がパソコンで、誰がどの作業をどうやってするのかの計画を立てます。従業員が肥料の量や農機の稼働時間などの実績を入力し、それをクラウド上で管理します。これによりどこに時間がかかっているのかなど「見える化」でき、作業時間の短縮や作業の平準化に繋がっています。

出典:国立研究開発法人科学技術振興機構『ICTで大規模稲作経営を効率化─有限会社フクハラファーム 』(2020年6月17日)

5. 農業×生物多様性の取り組み事例

農業と生物多様性に関するSDGsの取り組み事例を紹介します。

農業組合法人 ファーム宇賀荘

ファーム宇賀荘では環境にやさしい農業に取り組んでいます。島根県安来市宇賀荘は、昔ながらの土水路がありメダカやドジョウなどが生息しています。この環境を壊さないよう、魚巣ブロックなどによる環境づくりに努めています。また化学合成農薬や化学肥料削減栽培など環境に配慮した農業に取り組んでいます。

出典:農林水産省『どじょうやハクチョウとの共生による 大規模な米づくり』

6. まとめ:農業のSGDsの取り組み事例を参考にブランド力を上げよう!

農業のSDGsの取り組み方法は多様です。SDGsに取り組むことで、生産者も消費者もメリットがあり農園のブランドの向上にもなります。持続可能な仕組みを取り入れ、ぜひSDGsへの取り組みを始めましょう。

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