ビーエム工業、アスエネESG評価にてシルバーアワードを受賞

2024年度のアスエネESG評価において、創業70年以上の歴史をもつ、老舗プラスチック製造業であるビーエム工業株式会社がシルバーアワードを受賞しました。同社の代表取締役社長 安井 優氏に、事業の特徴やESG経営に取り組む意義、今後の展望についてお話を伺いました。

アスエネESGとは

「アスエネESG」とは、企業のESG経営に関する取り組み及び企業のサプライチェーン全体のESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)に関する取り組みを可視化できるESG評価プラットフォームです。ESG経営における課題やリスクの特定を支援するサービスです。

アスエネESGアワードとは

企業のESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)経営の取り組みを可視化し、ESG経営における課題やリスクの特定を支援する「アスエネESG」のサービスをご利用いただいたお客さまのなかで、取り組み内容が高く評価された企業を年に一度表彰するものです。上位1%以上の企業にプラチナアワード、5%以上の企業にゴールドアワード、上位25%以上の企業にシルバーアワード、上位50%以上の企業にブロンズアワードが与えられます。

目次

  1. プラスチックの成形・組立加工で70年、豊富な実績と技術が強み

  2.  会社の存在意義を話し合った結果、自然とESG経営に

  3. 社員・他の企業の方々とともにESG経営を推進したい

  4. まとめ

1. プラスチックの成形・組立加工で70年、豊富な実績と技術が強み

ビーエム工業株式会社は、プラスチック製造を営む企業です。家庭用ミシン部品の製造から事業をスタートさせ、現在は、プラスチックの成形から製品組立加工までを、自社一貫生産で提供しています。BtoBのビジネスモデルで、パチンコ業界ではパチスロ部品、機械業界では産業機器部品や事務機器部品、自動車業界では自動車部品を卸しており、業界を問わず多岐にわたってものづくりをしています。

当社は、創業70年以上の歴史で蓄積されたプラスチック加工の技術とノウハウがあるため、幅広い製品に対応できることを強みとしています。例えば、エレベーターのボタンなどの小さな部品から、天井埋め込みタイプの業務用エアコンなどの大型製品まで対応しています。また、プラスチック特級技能士、1級技能士が多数在籍しているため、品質には絶対の自信があります。

製品組立加工では、パートナーシップを組んでいる派遣会社との連携で、人的リソースを十分に確保しているため、多品種少量生産や早期立ち上げにも対応可能です。名古屋市の本社で最大200名、群馬工場では最大300名の生産キャパシティーを保有しており、お客さまのニーズに合わせて、製品を提供できるのが最大の強みです。工場では、誰もが作業をできるように徹底してマニュアルをつくることで、多国籍な人材が活躍しています。これからの時代に沿った企業経営の姿勢として、スキルを問わず、誰もが能力を発揮し、活躍できる職場づくりを心掛けています。

2. 会社の存在意義を話し合った結果、自然とESG経営に

私が代表取締役社長に就任して7年目になるのですが、2年前に企業理念の見直しを行い、当社の存在意義やどのような会社にしたいか、同年代の社員と話し合いました。社員から多く集まった「社会に貢献する会社・家族に誇れる会社・子どもも働かせたくなる会社にしたい」という声をもとに、企業理念を明文化し、事業の見通しを立てたところ、自然とESG経営を推進することに至りました。

具体的には、目標を設定するためのものさしを持つために、ESGを勉強することから始めました。その後、当社の取り組みが他社と比較したときにどう映るのか、自社の立ち位置を把握するために、「アスエネESG」を導入しました。すると、リスクアセスメントは実施できていたものの、時代の変化に伴って形骸化してしまった部分や時代の要請に対応できていない部分などの課題が見えてきました。評価結果をもとに、社員の統制を取るために必要な行動規範やルールの整備などから取り組みを始めています。

ESG経営の外的要因としては、1年ほど前から、ほぼ全ての取引先からESGに関する調査依頼が来るようになりました。環境対策は当然のこととして、半年前からは、労働環境などに関する質問項目も増えてきています。こういった要請に対応できないと、今後ビジネスチャンスを失う可能性もあるという危機感を感じたため、当社も、環境だけではなく、労働環境も含めて、包括的にESGを推進するきっかけになりました。

「アスエネESG」の評価結果を受けて、課題ばかりが目についていたため、正直今回の受賞には大変驚いています。シルバーアワードの受賞を光栄に思うのと同時に、受賞をきっかけに、全社的にESGを推進するためには、特定の社員だけではなく社員全体のESGに対する関心を高めることの重要性を再認識しました。

社内浸透のために、四半期ごとの全体朝礼でESGの活動内容を社員に説明しています。また、社員の健康促進の取り組みの一つとして、誕生会という名のランチミーティングを開催し、年次や部署に関係なく、健康について話し合う機会をつくりました。社員からの支持が得られるか不安ではありましたが、部門外のメンバーと一斉に集う場を設けたことで、社員のモチベーションにもつながっているようで、好意的な反応を嬉しく思っています。

3.社員・他の企業の方々とともにESG経営を推進したい

当社は、樹脂を扱う業態、かつISO14001を取得しているため、カーボンニュートラルに積極的に取り組まなければなりません。こうした背景から、環境(Environment)に関して取り組みを行う意義・メリットについては、社内に浸透してきたと感じています。脱炭素につながるアクションとして、CO2排出量の算定や設備投資だけではなく、事務職とともに現場を問わず改善をしていきます。

一方で、社会(Social)・ガバナンス(Governance)に関しては遅れをとっているため、指針を整備する必要があると思っています。関係会社のブラザー工業株式会社からアドバイスをいただきながら、最低限の取り組みは行っていますが、プラスアルファの動きが求められています。今後は、展示会などのイベントにも積極的に参加して他企業と接点をもち、ESGを満遍なく取り組んでいきます。

お客さまのESGの取り組みも、この1年で強化されている印象を受けます。大手企業は、ESGについて、文書化したものを発信・開示する流れが強まっているため、追随できる体制を整備しておきたいです。

ESGの取り組みが新たなビジネスにつながることを期待する一方で、社員一人ひとりがESGの意識を高めて、いきいきと働いてほしいとも願っています。ESGの取り組みの成果は、営業的な数字とは違い、表に見えにくい部分ではありますが、ESG経営の推進を通じて、社員の働きやすさ、居心地の良さを追求し、社員みんなが楽しいと思える会社づくりを目指します。

これからの時代を担う若い世代は、カーボンニュートラルに関心を持っています。そのため、ESGの推進は、彼らと共通の目標を持てる手段でもあるのです。ESG経営という、幅広い世代と共有できる会社の大きな目的を共有することは、会社を内側から強化することにつながります。ESGの取り組みを進めることが、直接的な利益にはつながらなくても、全社で協力しながら取り組み続けること自体が、会社としてもプラスになると信じています。

ESG経営は、自社だけで取り組むには限界があります。当社の今年の企業メッセージは、「ともに学び、ともに成長」としています。ぜひ、他の企業の方々と情報交換をしながら、手を取り合ってESGに取り組んでいきたいです。

■受賞企業について

ビーエム工業株式会社

http://www.bm-kogyo.co.jp/

■アスエネESGサービスについて

https://earthene.com/rating

 

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