SDGs 気候変動に関する目標・企業にできることを徹底解説!

気候変動による豪雨や竜巻被害などが世界を襲っています。気候変動を食い止めるために企業ができることは、二酸化炭素排出量を削減することです。この記事では、気候変動に関する取り組みをご検討中の法人の皆さまが知っておくべき世界が共通に掲げるSDGsの気候変動に関する目標や、企業ができること、中小企業の取り組み事例についてご紹介します。

目次

  1. SDGs気候変動に関する目標

  2. SDGsの目標達成のために企業ができること

  3. 気候変動に関するSDGsに向けた中小企業の取り組み事例

  4. まとめ:気候変動に関するSDGsの内容や事例を参考に、企業でも取り組みを始めよう!

1. SDGs気候変動に関する目標

企業が気候変動を抑制するためにできることを考える時に役立つのがSDGsの目標13番に関する知識です。世界が気候変動に関してどのような問題を抱えていて、どのように取り組む方針を固めているのかについて理解を深めることで、企業は取り組むべきことが見えてきます。ここではSDGs目標13番の内容や誕生した背景についてご紹介します。

SDGsは世界が共通に掲げる目標である

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略語で、「持続可能な開発目標」と訳されています。最近テレビでもよく聞くようになりましたが、SDGsが採択されたのは2015年9月です。「誰ひとり取り残さないこと」を信念に、先進国だけでなく新興国や途上国も含めた全世界が、2030年までに達成すべき17の目標から構成されています。17の目標は、大きく「社会・経済・環境」に分類されています。

 

出典:経済産業省『SDGs』

気候変動に関するSDGsは13番

気候変動に関するSDGsの目標は、13番の「気候変動に具体的な対策を」です。この中で、気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じることが求められています。

具体的な取り組み方として、気候が関連する災害や自然災害に対する強靭性や適応能力の強化や気候変動の対策を政策に盛り込むこと、気候変動に関する教育を行うことなどを示しています。

出典:外務省『グローバル指標(Sustainable Development Goal indicators) 13: 気候変動に具体的な対策を』

気候変動による異常気象抑制のためにSDGs13番が重要

SDGs目標13番「気候変動に具体的な対策を」が重要なのは、温暖化が深刻化しているためです。2015年12月に採択されたパリ協定では、世界共通の長期目標として「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」が設定されました。

出典:資源エネルギー庁『今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~』(2017/8/17)

気象庁が発表している1891年〜2020年までの世界の年平均気温の推移を見ると、変動を繰り返しながらも上昇しており、2014年〜2020年までの気温が上位7番目を占めています。このまま気温上昇が進めば、気候変動による異常気象がさらに深刻化します。これ以上の被害を出さないためにも、世界が共通の目標を掲げ、取り組みにつなげていくことが重要視されています。

 

出典:気象庁『世界の年平均気温』

2. SDGsの目標達成のために企業ができること

SDGs目標13番「気候変動に具体的な対策を」を達成するために、中小企業はどのような取り組みを行えばよいのでしょうか。気候変動を食い止められるかは、主な原因である二酸化炭素排出量を削減することができるかどうかにかかっています。ここでは、中小企業が二酸化炭素排出量を削減するためにできることの具体的例をご紹介します。

再生可能エネルギーの活用

再生可能エネルギーを積極的に活用することで、企業から排出される二酸化炭素排出量を大幅に削減することができます。資源エネルギー庁の発表によると、再生可能エネルギーは、発電所の建設から廃棄物として処理されるまでに二酸化炭素が排出されますが、発電時には排出しません。

出典:資源エネルギー庁『「CO2排出量」を考える上でおさえておきたい2つの視点』(2019/6/27)

J-クレジットの活用

J-クレジットとは、二酸化炭素排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度です。省エネ設備や再生可能エネルギー設備の導入が難しい中小企業は、このJ-クレジットを購入することで二酸化炭素排出量削減に取り組むことができます。

出典:J-クレジット制度『J-クレジット制度について』

物流の見直し・働き方改革

日本物流団体連合会の発表によると、自家用貨物自動車の二酸化炭素排出量が946g-CO2/トンキロであるのに対して、営業用貨物自動車は約7分の1の134g-CO2/トンキロです。鉄道を利用すると22g-CO2/トンキロです。輸送などに使う機関を見直したり、輸送する回数を減らすことで、二酸化炭素排出量削減に向けた取り組みになります。

テレワークを導入したり、マイカー通勤をやめる日を作るなど、従業員の働き方を変えることも二酸化炭素排出量削減に向けた取り組みになります。

出典:社団法人 日本物流団体連合会『地球温暖化対策に向けた物流業界の取り組みと考え方』(p.17)

3. 気候変動に関するSDGsに向けた中小企業の取り組み事例

気候変動に関するSDGs目標13番への取り組みとして実際にどのようなことが行われているのか、中小企業の取り組み事例をご紹介します。

(1)株式会社イトーキ

株式会社イトーキは、東京都に本社を置く事務用品や各種設備を扱う企業です。nonaチェアがライフサイクル全体を通して排出する二酸化炭素排出量をカーボンオフセット制度を活用することでゼロにしています。

出典:ITOKI『「nona(ノナ)」チェアを通じてSDGsに貢献 』(2017/10/31)

(2)株式会社マツナガ

株式会社マツナガは、東京都に本社を置く建築設備メーカーです。SDGs目標13番を含め、7つのSDGs目標を達成するための取り組みを行っています。

SDGs目標13番に対しては、冷暖房の使用を最小限に抑え、自然エネルギーを最大限に活用できる住宅を開発することで、二酸化炭素排出量削減に取り組んでいます。

出典:株式会社マツナガ『マツナガの理念・想い』

(3)株式会社二川工業製作所

兵庫県に本社を置く建設機械装置部品製造会社です。SDGs目標13番への取り組みとして、温室効果ガス削減目標を設定し、再生可能エネルギーの普及促進と省エネルギー化の推進に積極的に取り組んでいます。2020年12月に、国内全拠点での使用電力を100%再生可能エネルギーで賄う目標を達成しています。

出典:FUTAGAWA『フタガワグループのSDGs』

4. まとめ:気候変動に関するSDGsの内容や事例を参考に、企業でも取り組みを始めよう!

 

この記事では、世界が共通に掲げる気候変動に関する目標のSDGs13番や企業ができることなどについてお伝えしました。どのように気候変動に取り組むのかについての理解を深め、企業の気候変動に関する取り組みにつなげていただければと思います!

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