Bコーポレーションとは?認証取得のメリットとともに解説!

Bコーポレーションとは、環境や社会への貢献などが認められた企業に与えられる認証です。

現在、世界は地球温暖化など多くの問題を抱えています。国やNPO主体の取り組みだけでは解決できない問題になっており、企業の取り組みも必要不可欠になっています。企業はこれまでのように利益の追求だけでなく、事業活動を通して、環境や地域社会、消費者、従業員などステークホルダーへ貢献することが望まれています。

この記事では、法人の皆さまが知っておくべきBコーポレーションの基礎知識とメリット、申請方法などについてご紹介します。

目次

  1. 企業が知っておくべきBコーポレーションの基礎知識
  2. Bコーポレーション認証取得で得られるメリット
  3. Bコーポレーション認証を取得しよう
  4. まとめ:Bコーポレーション認証取得で世界にアピールしよう!

1. 企業が知っておくべきBコーポレーションの基礎知識

Bコーポレーションとはどのような企業に与えられる認証なのでしょうか?ここでは、Bコーポレーション認証の取得をご検討中の皆さまが知っておくべき、基本的な知識についてご紹介します。

サステナブルな企業が得られる認証で世界での評価が高い

Bコーポレーションとは、アメリカのペンシルベニア州にある非営利団体「B Lab」が2006年に始めた制度です。環境や社会に配慮し、社会に対し説明責任を行うなど、B Labが掲げる基準を満たしている企業に認証が与えられます。

BコーポレーションのBはbenefit(利益)のbから取っているのですが、企業の利益追求だけでなく、事業活動を通して環境や地域社会、従業員、従業員などを含むステークホルダーに対しても、利益を生み出している企業であることを意味しています。

Bコーポレーションの認証を受けた企業は、環境や社会にも貢献しているサステナブルな企業として活動することができます。

出典:The Asahi Simbun GLOVE+『世界標準「B Corp」を知っていますか アジアで広がる「良い会社」認証』(2018/12/30)

BコーポレーションはSDGsとここが違う

Bコーポレーションは、企業の利益を追求するだけでなく、環境や社会にも貢献するサステナブルな企業に与えられる認証です。SDGsの認定を受けるのとどう違うのか疑問に思われたかもしれません。

BコーポレーションとSDGsは、ともにサステナブルな企業に与えられる認証であることから共通点が多いです。しかしながら、日本において認知度に大きな開きがあります。SDGsに取り組む企業も増えたことから、テレビでもSDGsという言葉が使われているのをよく見かけるようになりました。

このように認知度に開きがある理由は、SDGsが国連のサミットで採択された翌年となる2016年に、日本政府がSDGs推進本部を設置し、地方創生などを含むSDGsを重視する様々な政策を積極的に推進してきたためです。

しかしながら、海外企業と少しでも交流がある企業には、SDGsよりも世界共通の基準となる、Bコーポレーションの認証を取得することをおすすめします。

というのは、Bコーポレーションの方が海外においてブランド力が高く、取り組み宣言をすれば加入できてしまうSDGsと比べて、認証取得できる企業の割合が全体の1割以下と難しく、信頼性が高いためです。

日本の食品業界で初となるBコーポレーションを取得したダノンジャパンは、取得した理由として2つをあげています。

・ガバナンス、従業員、コミュニティ、環境、顧客の5つのカテゴリーにおいて企業のパフォーマンスを評価し、認定する制度はBコーポレーションしかない。

・運営団体のB Labのホームページで企業の5つのカテゴリーに対する取り組みを見ることができる。(透明性がある)

出典:外務省『日本政府の取組』
出典:DANONE『なぜB Corp認証を取得したのか?』(2021/4/1)

審査が厳しくBコーポレーションの認証件数は少ない

日本で初となるBコーポレーション認証企業が誕生したのは2016年です。国内初となるBコーポレーション認証を取得した企業は、群馬県桐生市にある株式会社シルクウェーブ産業で、続いて横浜市にある石井造園株式会社が取得しています。

毎日新聞が公表しているデータによると、2020年3月時点においてBコーポレーション認証を取得している日本の企業は5社しかありません。しかしながら世界71カ国で3200社以上がBコーポレーションの認証を取得しているため、Bコーポレーション認証を取得すると、海外の企業から高い評価を得ることができます。

出典:群馬経済新聞『国内初のBコーポレーション認定【シルクウェーブ産業】』(2016/5/18)
出典:石井造園株式会社『コーポレーション認証の取得について』
出典:毎日新聞『世界71カ国3200社以上が認定「Bコープ」とは何か?』(2020/3/14)

2. Bコーポレーション認証取得で得られるメリット

Bコーポレーション認証は、日本ではまだ浸透していないのが現状です。しかしながら、Bコーポレーション認証を取得することで、企業は様々なメリットを得ることができます。ここでは、Bコーポレーションを取得するメリットをご紹介します。

企業のイメージがアップする

Bコーポレーションを取得している日本の企業の1つに「ダノンジャパン」があります。食品業界でBコーポレーション認証を受けた初の企業です。Bコーポレーション認証は、環境や社会に配慮している良い企業に与えられるため、認証を取得することで企業のイメージをアップさせることができます。

出典:DANONE『世界で広がる「良い会社」の認証制度 ダノンジャパン、 日本の大手消費財メーカーおよび食品業界 で初めて Bコーポレーション 認証 を取得』(2020/6/16)

採用時に優秀な人材が確保できる

Bコーポレーションは、サステナブルな良い企業に与えられる認証です。そのためBコーポレーションを取得することで、企業のイメージが良くなります。

優秀な人材は、環境や社会に配慮している企業であるかも企業を選ぶ時の判断基準の1つにするため、企業が求人を出した時に優秀な人材が集まりやすいというメリットがあります。

ステークホルダーからの支持を得やすい

Bコーポレーション認証を取得することで、環境問題や社会問題に貢献している企業であることを周知することができます。世界全体で環境問題への取り組みが重視されている風潮の中で、サステナブルな企業であることで、従業員や地域社会などステークホルダーからの支持を得やすくなります。

経済産業省は、「地域を支えるサービス事業主体のあり方に関する研究会報告書について」において、参考資料としてBコーポレーションを紹介していますが、メリットとして資金調達やブランドイメージ向上をあげています。

出典:経済産業省『地域を支えるサービス事業主体のあり方に関する研究会報告書について』

3. Bコーポレーション認証を取得しよう

ここではB Labが運営するBコーポレーション認証を取得するための要件と申請方法についてご紹介します。Bコーポレーション認証の審査に通る割合は全体の1割以下です。審査が厳しいため認証を受けるための要件をしっかり満たす必要があります。

Bコーポレーションの認証を取得するファーストステップは、B Labが運営するB Impact Assessmentで企業の環境面と社会面におけるパフォーマンスを測定し、200点中80点以上を獲得することです。パフォーマンスの測定は、ネット上で無料で行うことができます。

またBコーポレーション認証を取得するためには、企業の定款文書をBコーポレーションの理念に合う形に変更しなければなりません。たとえば定款文書の中に、ステークホルダーの利益を配慮することを盛り込む必要があります。

出典:B Impact Assessment『Start measuring and managing your social and environmental impact using this free, confidential tool』

4. まとめ:Bコーポレーション認証取得で世界にアピールしよう!

この記事では、利益と環境や社会への貢献を両立させたいとお考えの法人の皆さまが知っておくべきBコーポレーションに関する基礎知識やメリットについてお伝えしました。

Bコーポレーション認証を取得することで、世界基準でサステナブルな企業であることをアピールできます。まずは自分たちの取り組みがその基準を満たしているのか、どこまで取り組めば満たせるのかを調べ、自社にあった認証制度、取り組みを検討してみましょう。

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