太陽光発電ができるカーポートとは?メリットなど徹底解説

近年、駐車場に設置できることから、太陽光発電ができるカーポートに注目が集まっています。政府はソーラーポート設置を、PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業の取り組みの1つとして位置づけ、企業や自治体などへの普及を目的に、補助金事業を実施しています。

この記事では、太陽光発電ができるカーポート設置を検討されている法人の皆さまが知っておくべき、ソーラーカーポートに関する基本的な知識についてご紹介します。

目次

  1. 太陽光発電ができるカーポートとは?ソーラーカーポートの基礎知識

  2. 太陽光発電ができるカーポートを設置する5つのメリット

  3. ソーラーカーポート普及を推進!国の促進事業

  4. まとめ:ソーラーカーポートへの理解を深め、太陽光発電のメリットを享受しよう!

1. 太陽光発電ができるカーポートとは?ソーラーカーポートの基礎知識

政府は、補助金を出すなどして太陽光発電ができるカーポートの普及を促進しています。そもそもソーラーカーポートとはどのような設備であり、どのような導入事例があるのかなど、ソーラーカーポートに関する基礎知識についてご紹介します。

ソーラーカーポートとは?

カーポートとは、建物に隣接した形で設置した屋根付き駐車場を指す言葉です。ソーラーカーポートとは、太陽光発電ができるカーポートのことであり、太陽光発電一体型ソーラーカーポートや太陽光発電搭載型ソーラーカーポートなどの種類があります。ソーラーカーポートには、建築基準法と電気事業法が適用されるため、それぞれの規定を満たした上で導入する必要があります。

出典:経済産業省『ソーラーカーポートを設置する際の電気事業法上の技術基準について(周知)』(2021/6/21)

ソーラーカーポート導入事例

[1]Jヴィレッジ

Jヴィレッジは、福島県楢葉町にある大型スポーツ施設で、駐車場屋根一体型の太陽光発電設備を導入しています。パネル設置枚数は552枚で、導入容量は151.2kWです。

出典:福島県『Jヴィレッジの再生可能エネルギー発電設備が運転開始しました。』(2019/4/1)

出典:環境省『ソーラーカーポートの導入について

[2]村田製作所

岡山県瀬戸内市にある村田製作所は、工場に隣接する1,200台分の駐車場に、ソーラーカーポート型メガソーラーを導入しています。パネル設置枚数は8,010枚で、導入容量は2,403kWです。

出典:日経クロステック『1200台分の駐車場をメガソーラーに』(2020/10/29)

2. 太陽光発電ができるカーポートを設置する5つのメリット

太陽光発電は、政府が2050年度までの脱炭素化を実現させるための手段として普及を推進している再生可能エネルギーの1つです。太陽光発電ができるカーポートを駐車場に設置することで、企業は5つのメリットを得ることができます。

土地の有効活用ができる

ソーラーカーポートは、企業が所有する駐車場に設置するため、土地を有効活用することができます。新たな土地購入費用が発生しないこともメリットです。

電気代を節約

ソーラーカーポートを設置し自家発電することで、企業が所有する電気自動車の充電などに活用することができます。事業で使用する電気の1部に活用することで、電気代を節約することができます。

災害時の備蓄

ソーラーカーポートによる太陽光発電設備で自家発電した電気は、蓄電池に貯めることで、災害時に電気の供給がストップした際に活用することができます。

出典:資源エネルギー庁『太陽光発電』

環境問題への貢献

ソーラーカーポートは太陽光発電を用いた発電のため、発電時に気候変動を引き起こすCO2を排出しません。自家消費型太陽光発電の導入は、事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを宣言するRE100や中小企業向けの再エネ100宣言RE Actionに活用することができます。

出典:資源エネルギー庁『「CO2排出量」を考える上でおさえておきたい2つの視点』(2019/6/27)

3. ソーラーカーポート普及を促進!国の促進事業

政府は「PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」の取り組みの一環として、ソーラーカーポートの普及を促進することを目的とした補助金事業を実施しています。政府はソーラーカーポート導入をどのように位置づけ促進させているのかや、ソーラーカーポートを設置する際の費用が1部補助される補助金制度についてご紹介します。

ソーラーカーポートの位置づけ

政府は、「PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」における取り組みの1つとして、ソーラーカーポートの促進を位置づけています。

出典:資源エネルギー庁『定置用蓄電システムの普及拡大に関する取組』(2021/1/19)(p.41)

再生可能エネルギー事業者支援事業費

建物屋根の上や空き地以外の場所にソーラーカーポートなど自家消費型太陽光発電設備や蓄電池を導入する民間企業や自治体、社団法人など事業者を対象に、環境省が主体となって実施した補助金制度です。申請は公募により行われ、申請が通ると経費の3分の1(上限1億円)が補助金として交付されます。

出典:環境省『令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業)のうち「再生可能エネルギー事業者支援事業費(建物屋根上や空き地以外の場所を活用した自家消費型の太陽光発電設備(ソーラーカーポート等)及び蓄電池の導入を行う事業)」の公募開始について』(2021/5/14)

4. まとめ:ソーラーカーポートへの理解を深め、太陽光発電のメリットを享受しよう!

政府も促進している太陽光発電ができるカーポートに関する基本的な知識についてご紹介しました。企業の駐車場などにソーラーカーポートを設置することで、発電した電気を自家消費することができます。太陽光による発電は、現在問題になっているCO2排出の対策にもつながります。企業が排出するCO2の量を削減するためにも、ソーラーカーポートの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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