今すぐ脱炭素に向け取り組みを~リミットは2050年!

リミットを2050年とし、今すぐ脱炭素に向け取り組みを!IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は、2021年8月9日に第6次評価報告書を発表し、温暖化を食い止める重要性を世界に向け発信しました。温暖化を抑制する鍵を握っているのが、2050年までの脱炭素社会の実現です。脱炭素への取り組みをご検討中の法人の皆さまが知っておくべき、脱炭素に関する基礎知識や企業ができることなどについてご紹介します。

目次

  1. 2050年の理由はパリ協定の目標達成

  2. 地方自治体の脱炭素表明は329。自治体の取り組みとは

  3. CO2排出の8割が法人!事業活動でも脱炭素を

  4. まとめ:2050年の脱炭素化の重要性を理解し、すぐに取り組もう!

1. 2050年に理由はパリ協定の目標達成

2020年10月26日に、日本は2050年までに脱炭素社会を実現させることを世界に向け発信しています。ここでは、脱炭素社会に向けた日本の方針や2050年が重要視されている理由についてご紹介します。

2050年脱炭素に向けた政府の方針

2020年10月26日、第203回臨時国会において菅総理は2050年までに脱炭素社会を実現させることを目標として表明しました。温暖化対策に積極的に取り組むことは、産業構造や経済社会に変革をもたらし大きな成長につながるとの見解を示しています。

2050年までに脱炭素社会を実現させるための具体的な取り組みとして、革新的なイノベーションや徹底した省エネルギーの推進、最大限の再生可能エネルギーの導入、安全を最優先した上での原子力発電所の推進などをあげています。

出典:経済産業省『2050年カーボンニュートラルを巡る国内外の動き』(2020年12月)(p.1)

なぜ2050年なのか

2020年12月に経済産業省が公表した資料によると、123ヶ国と1地域が2050年カーボンニュートラルに賛同しています。脱炭素について議論する時にキーワードとなっているのが2050年という期限です。

2050年までに脱炭素化することが重要視されている理由は、2050年あたりに世界が脱炭素化されなければ、世界の年平均気温の上昇をパリ協定が設定する1.5℃以内におさえることができないとの見解が示されているためです。

出典:経済産業省『2050年カーボンニュートラルを巡る国内外の動き』(2020年12月)(p.6)

出典:資源エネルギー庁『「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?』(2021/2/16)

2. 地方自治体の脱炭素表明は329。自治体の取り組みとは

2050年までの脱炭素化のためには、2030年までの10年間の取り組みが特に重要とされ、日本では脱炭素化に向けた地方自治体の取り組みが加速しています。ここでは、地方自治体の取り組み状況や、具体的な取り組みを示した地域脱炭素ロードマップについてご紹介します。

地方自治体の取り組み状況

2021年3月18日時点において、2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明をしている自治体数は329です。表明している自治体の数と総人口数は、以下のように推移しています。表明している自治体の数が急増していることから、自治体において脱炭素化に関する意識が強まっていることが分かります。

  • 2019年9月時点:4自治体/1956万人

  • 2020年10月26日時点:166自治体/7883万人

  • 2021年3月18日時点:329自治体/1億516万人

出典:環境省『脱炭素に向けた地方自治体の取組について』(2021/3/19)(p.4)

地域脱炭素ロードマップ

2021年6月9日に国・地方脱炭素実現会議第3回会合において、地方自治体や地域の企業の脱炭素化の進め方の指標となる地域脱炭素ロードマップが決定しました。ロードマップを実現させるための具体的な取り組みとして3つの柱が設定されています。

・地域と国が一体で取り組む地域の脱炭素イノベーション

エネルギー・金融等の知見経験を持つ人材の強化、デジタル技術を活用した情報基盤・知見の充実、複数年度に渡る経済的かつ包括的な支援に関する計画の策定など

・CO2排出量の見える化などライフスタイルイノベーション

製品やサービスにCO2を見える形で表示する、脱炭素行動に対しポイントを付与する、ふるさと納税の返礼品として地域の再生可能エネルギーを活用するなど

・社会を脱炭素化するためのルールづくり

改正温対法に基づいた促進区域内の再生可能エネルギー事業の促進、住宅の省エネルギー基準義務づけなどロードマップの作成など

出典:環境省『改正地球温暖化対策推進法及び地球脱炭素ロードマップについて』(2021/6)(p.5)

3. CO2排出の8割が法人!事業活動でも脱炭素を

2050年までに日本が脱炭素社会を実現させるためには、企業の取り組みが欠かせません。ここでは、企業が脱炭素に取り組む必要性や、脱炭素に向け企業ができることについてご紹介します。

企業が脱炭素に取り組む必要性

IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は、2021年8月9日に第6次評価報告書を発表し、その中で人間が地球の気候を温暖化させてきたことに疑う余地がないとの見解を示しました。

出典:BBC NEWS『温暖化は人間が原因=IPCC報告「人類への赤信号」と国連事務総長』(2021/8/9)

JCCCAによると、2019年度における日本のCO2間接排出量約11億794万トンの内、家庭部門が占める割合は14.4%です。運輸部門の中には、家庭から排出されるCO2も含まれていますが、過去のデータから家庭から排出されるのは5%程度と見込まれます。つまり日本から排出されているCO2の約8割が法人から排出されているCO2です。

2050年までに脱炭素社会を実現させるためには、事業活動を通して多くのCO2を排出する企業が率先して脱炭素化に取り組む必要があります。

出典:JCCCA『4-4 日本の部門別二酸化炭素排出量(2019年度)』

脱炭素社会に向け企業ができること

[1]CO2を排出しない電源への切り替え

事業活動で使用する電力をCO2を排出しない再生可能エネルギーに切り替えることで、企業が排出するCO2の量を大幅に削減することができます。事業で使用する電源を100%脱炭素化することを目標として宣言する再エネ100宣言 RE Actionに賛同する企業が増加しています。2021年8月21日時点における企業数は167団体です。

出典:再エネ100宣言 RE Action『NEWS』(2021/8/5)

株式会社大川印刷

大川印刷は、経済産業省の認可を受け、初期投資0円の太陽光パネル設置事業第1号になりました。これにより2019年に、事業活動で使用する電力100%という目標を達成しています。

出典:大川印刷『再生可能エネルギー100%企業になりました!』

[2]徹底した省エネルギーへの取り組み

2050年までに脱炭素社会を実現させるためには、徹底した省エネルギーへの取り組みも必要であるとの見解が示されています。省エネルギーを企業が実行する具体的な取り組みには、LEDの導入や効率的な設備の導入などがあります。

山形精密鋳造株式会社

ステンレスを溶解する溶解電気炉での省エネルギーが困難なため、インバータ付きコンプレッサーやLEDなどの導入により、別の工程における省エネルギーを徹底しています。

出典:資源エネルギー庁『2050年カーボンニュートラルの実現に向けた需要側の取組』(2021/2/19)

出典:環境省『中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック』(p.12)

[3]イノベーションの推進

日本が2050年度までに脱炭素社会を実現させるためには、再生可能エネルギーの最大限の導入に加え、安全最優先での原子力の利用、水素など新たな選択肢の追求が必要であるとの見解が示されています。アンモニアや水素などイノベーションに取り組む企業が増加しています。

日揮ホールディングス株式会社

化石資源からCO2を排出しない「CO2フリーアンモニア」を製造する合成実証試験を産総研福島再生可能エネルギーセンターにて実施しています。

出典:資源エネルギー庁『2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討』(2020/11/17)(p.2)

出典:日揮ホールディングス『CO2フリーアンモニア合成:CO2フリーのエネルギーキャリア』

4. まとめ:2050年の脱炭素化の重要性を理解し、取り組みを始めよう!

世界の年平均気温の上昇をパリ協定が定める1.5℃以内におさえるためには、2050年までに世界が脱炭素化にする必要があります。温暖化の主な原因である気温上昇を食い止めるためには、CO2排出量が多い企業が排出量を削減しなければなりません。2050年までに脱炭素化することの重要性を理解し、すぐに脱炭素に向け取り組みを始めましょう!

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