CO2削減目標の設定方法とは？SBT認証・RE100参加へ向けて

2023年06月13日
CO2削減

CO2削減目標の設定方法は、どのように行うのでしょうか。企業における脱炭素の取り組みが広がる中、サプライヤーにCO2削減を求める企業が増えました。CO2排出量を削減するためには、企業の排出量の実態を把握し、削減目標を設定することから始める必要があります。

この記事では、CO2削減目標の設定方法について知りたいとお考えの法人の皆さまが知っておくべき基本的な知識についてご紹介します。

目標

なぜCO2削減目標を設定するのか？
CO2削減目標の設定方法
CO2削減目標設定事例
まとめ：CO2削減目標の設定方法を理解し、脱炭素経営に取り組もう！

1. なぜCO2削減目標を設定するのか？

CO2削減目標を策定することが決まり、まず最初にすることは、なぜCO2削減目標を設定するのか背景を明確にすることです。実際に企業はどのような目的でCO2削減目標を設定しようとしているのか、例をいくつかみていきましょう。

SBT認定の取得

SBT認定の取得を目的とし、CO2削減目標を設定します。SBTは「Science Based Targets」を略した用語で、「科学と整合した目標設定」と訳されています。投資家や従業員、顧客、取引先などへアピールすることなどを目的とし、SBTを認定する企業数が増加しています。日本のSBT認定企業数は、イギリスに次ぐ世界第2位（2022年9月1日時点）であり、SBTへの関心の高さがうかがえます。

SBTに参加している国別企業数グラフ

出典：環境省『SBTに参加している国別企業数』（2022/9/1）（p. 41）

RE100・RE Actionへの参加

RE100または中小企業向けRE Actionに参加するために、⻑期排出削減目標を設定する企業もあります。RE100は、事業活動で用いる電力を100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることを宣言する国際的な枠組みです。SBTと同様に日本ではRE 100への関心が高く、RE 100に参加している国別企業数は、アメリカに次ぐ第2位です。

RE 100に参加している国別企業数

出典：環境省『RE100に参加している国別企業数』（2022/9/1）（p. 25）

2. CO2削減目標の設定方法

サプライチェーン排出量の算定

CO2削減目標を設定する前に、企業はサプライチェーン排出量を算定する必要があります。サプライチェーン排出量は、Scope1・2・3を合算することで求めることができます。

サプライチェーン排出量を算定することで、企業は事業活動を通してどれくらいのCO2を排出しているかを把握することができます。またCO2排出量が多い部分が客観的に分かるため、優先順位が特定でき、CO2削減計画が立てやすくなります。

出典：環境省『サプライチェーン排出量の活用について』（2016/10/18）（p. 3）

CO2削減目標の策定

サプライチェーン排出量算定後に、CO2削減の目標案を策定します。SBTの認定を受けるためにCO2削減目標を設定するのであれば、毎年温室効果ガスを2.5%以上削減することを目標とし、5年から15年先の⽬標を設定する必要があります。SBTやRE100などの中長期排出削減目標の設定を検討している企業向けに、どのように取り組めば良いかを取りまとめたマニュアルを環境省が提供していますので、参考にしましょう。

出典：環境省『環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム：国際的な取組』