物流業界が取り組む「SDGs」とは?事例紹介

物流業界は、陸・海・空のすべてにおける運輸産業が関わっており、事業活動において多くのCO2を排出するため、SDGsと深い関わりのある業界です。CO2削減はもちろんのこと、物流業界におけるSDGsの取り組みは、環境問題に関係するものだけではありません。意識が高い物流関連企業はどのようなSDGsの目標に取り組んでいるのでしょうか。SDGsへの取り組みが評価されている物流関連企業の事例をみていきましょう。

目次

  1. SDGsに関する基礎知識

  2. 物流業界と関連するSDGsの一般的な例

  3. 物流関連企業のSDGs事例

  4. まとめ:事例を参考に、SDGsへの取り組みを始めよう!

1. SDGsに関する基礎知識

企業の取り組みなどによりSDGsという言葉が浸透していますが、そもそもSDGsとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、SDGsの意味や企業が注目する理由についてご紹介します。

SDGsとは?

SDGsとは、2030年までに賛同した全ての国が達成すべき17の目標をまとめたものです。SDGsは2015年9月に国連サミットにおいて国連加盟国の全会一致により採択されているため、世界が共通に掲げる目標です。

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

出典:国際連合広報センター『SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン』

出典:外務省『SDGsとは?』

企業からの注目を集めるSDGs

2006年にPRI(国連責任投資原則)が提唱されて以降、PRIに賛同する投資機関は日本を含む世界で増加しています。PRIは投資にESG(環境・社会・ガバナンス)の視点を組み入れることなどからなる機関投資家の投資原則です。SDGsへの取り組みは、ESGを実現させるための1つの手段として企業から注目を集めています。

PRI署名機関数の推移

出典:経済産業省『ESG投資』

2. 物流業界と関連するSDGsの一般的な例

物流業界と関連するSDGsの一般的な例を以下にあげますのでご覧ください。

  • SDGs7番『エネルギーをみんなに そしてクリーンに』

物流関連企業が解決すべき課題の1つが、設備や施設における省エネルギーです。省エネルギーの取り組み例として、CO2を排出しないLEDや再生可能エネルギーの導入があります。

  • SDGs13番『気候変動に具体的な対策を』

物流関連企業は、輸送時だけでなく物流施設からも気候変動の主な原因であるCO2を大気中に排出します。CO2排出量削減の取り組み例として、輸送機器や物流施設のグリーン化があります。

  • SDGs15番『陸の豊かさも守ろう』

物流関連企業は事業活動を通じて大量の包装廃棄物を出します。業務で使用する箱を使い捨てではなく繰り返し使えるものに切り替えるなどして、紙の使用量を削減することができます。

物流業界と関連するSDGsと聞くと、運送トラックから排出されるCO2を思い浮かべるかもしれません。CO2排出量の削減はSDGsの目標13番『気候変動に具体的な対策を』への取り組みに該当します。たしかに、物流業界にとってCO2排出量の削減は取り組むべき課題の1つです。しかしながら、物流業界にはこの他にも取り組むことができるSDGsがあります。

3. 物流関連企業のSDGs事例

日立物流グループ

日立物流グループは、ステークホルダーと連携しながらサプライチェーン全体でSDGsに取り組んでいます。日立物流グループは、以下のようなSDGs目標を選択しています。

  • SDGs5番『ジェンダー平等を実現しよう』

女性社員のキャリア形成のための支援や男性社員の育児休業取得の促進などに取り組んでいます。

  • SDGs7番『エネルギーをみんなに そしてクリーンに』

日立物流グループは、エネルギー利用の効率化や再生可能エネルギーの導入、エコカーへの代替などにより、脱炭素化を進めています、

  • SDGs13番『気候変動に具体的な対策を』

日立物流グループは、環境問題への対策の一貫として大気汚染物質の削減や資源循環の促進、森林資源保護に取り組んでいます。気候変動などによる災害に備えBCP体制も強化しています。

出典:HITACHI『日立物流グループのサステナビリティ』

名正運輸

2019年に創立50周年を迎えたことを機にSDGsへの取り組みを始めています。名正運輸は、以下のようなSDGs目標を選択しています。

  • SDGs10番『人や国の不平等をなくそう』

外国人留学生アルバイトスタッフや技能実習生を受け入れています。また、外国人スタッフに関して、日本人スタッフと同様に能力に応じて役職者登録を行っています。

  • SDGs9番『産業と技術革新の基盤をつくろう』

運行管理と配送の効率化を目的とし、運送で使用する全車両にクラウド型デジタルタコグラフを導入しています。

  • SDGs15番『陸の豊かさも守ろう』

事業活動を通じて発生する段ボールや書籍、紙ゴミは資源としてリサイクルしています。

出典:MEISHO『SDGs 名正運輸のSDGsの取り組み』

シーアールグループ

タクシー会社との連携やフィットネス施設の開設などにより、SDGsの取り組みの幅を広げています。シーアールグループは、以下のようなSDGs目標を設定しています。

  • SDGs9番『産業と技術革新の基盤をつくろう』

シーアール物流株式会社が保有する技術を活かして、お客様業務の生産性の向上と、継続的な価値の創出に取り組んでいます。

 

  • SDGs3番『すべての人に健康と福祉を』&11番『住み続けられるまちづくりを』

地域住民の健康と福祉に貢献するためにリハビリ・フィットネス施設を開設しています。平和タクシーコーポレーションと提携し、福祉に特化したタクシー事業を行っていますが、リハビリ・フィットネス施設と介護タクシーをリンクさせることで、誰もが利用しやすい環境を整備しています。

出典:シーアールグループ『SDGsへの取り組み』

4. まとめ:事例を参考に、SDGsへの取り組みを始めよう!

ESGが普及拡大する中、時代に敏感な物流関連企業はすでにSDGsへの取り組みを始めています。今回ご紹介した物流関連企業の取り組み事例を参考に、SDGsへの取り組みを始めましょう。

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サプライチェーン全体のCO2排出量Scope1〜3算定の基礎を徹底解説