気候変動を科学的に楽しく学べるチームビルディング・ワークショップ、「クライメート・フレスク」をアスエネアカデミーが提供開始!

昨今、サステナブル経営やSXの必要性が高まり、企業においてもサステナビリティーの問題にどのように取り組んでいこうかと頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

アスエネの新しい教育・研修ソリューション「アスエネアカデミー」は、チームビルディングのためのワークショップ、専門家によるレクチャー、オンラインのリソースを提供することで、企業が社員を活性化し、力を与え、スキルアップさせることを支援します

私たちのサービスを通して気候変動と持続可能性に関するリテラシーを養成することで、企業は気候変動に関連するリスクへの備えを強化し、ステークホルダーの関与を促進し、社員のやりがいを高めることができます。アスエネアカデミーは、「クライメート・フレスク」や「バイオダイバーシティ・コラージュ」のような科学的根拠に基づくワークショップなど、誰もが利用可能な教育ソリューションを提供しています。また、当社の専門家がウェビナー、オーダーメイドのワークショップ、オンラインリソースを提供し、持続可能な未来に向けて社員のスキルアップをサポートします。

今回は、気候変動について学ぶワークショップとして、世界中で120万人以上が参加し、世界中で最も人気のあるワークショップの一つである「クライメート・フレスク(Climate Fresk)」をご紹介します。

出典:Climate Fresk(n.d.)

目次

  1. クライメート・フレスクとは?

  2. クライメート・フレスクのワークショップのながれ

  3. クライメート・フレスクの特徴:なぜ成功しているの?

  4. まとめ:クライメート・フレスクを導入することのメリット

  5. クライメート・フレスクの社内実施

クライメート・フレスクとは?

クライメート・フレスクは、人々の気候変動に対する意識と理解を高め、行動を促進していくことを目的として、フランスで開発されたワークショップです。普及のための組織の設立以降、このワークショップは世界中に広がり、これまでに50の言語に訳され、130の国と地域で実施されました。世界ではこれまでに、様々な大きさ、セクターの企業が社員の研修としてこのワークショップを導入しています。

出典:Climate Fresk(n.d.)

Climate Fresk

出典:Climate Fresk

クライメート・フレスクのワークショップのながれ

ワークショップでは、参加者は4〜7人の少人数グループを形成し、ファシリテーターに導かれながら様々なワークを行います。参加者は、3時間のワークショップの中で、気候変動の全容とその複雑さを理解し、感情・想いを共有し、解決策を考えます。

(1)因果関係を理解する

最初のパートでは、IPCC(後述)のレポートに基づいた、42枚のカードを用います。各カードは気候変動の要素、原因または結果を現しており、因果関係で結びつけることができます。参加者は相互に話し合いながら、一つ一つのカードを理解し、因果関係を見つけていきます。このプロセスを通じて、参加者は気候変動の全容を理解することができます

(2)「フレスコ画」を装飾する

クライメート・フレスクの「フレスク(fresk)」という言葉は、イタリア語のfrescoに由来します。これは壁画を描く技法、またはその技法を用いて描かれた壁画を指す言葉です。

このパートでは、参加者は並べ終わったカードをグルーピングしたり、絵や文字を描き込んだり、タイトルをつけたりして、そのチームオリジナルの「壁画(フレスコ画)」を完成させます。前のパートで約90分かけて学んだことや話し合ったことを振り返り、知識を定着させると同時に、自分と事象とのつながりに目を向けます。

(3)感情を整理する

気候変動に関するワークショップで感情を扱うことを意外に思う方もいるかもしれません。心理学などの研究によって、気候変動の話をする際に心の状態に配慮することがとても重要だということがわかってきています。どのように行動するか、どのように意思決定するか、社会問題や事件をどの程度身近に感じるかなどにおいて感情が非常に重要な役割を果たします。

このパートでは、参加者は気候変動に対する自分の感情と向き合い、それを言葉にして他の参加者と共有します。このプロセスを通じて、参加者はカタルシスを得るとともに、他者の話に耳を傾けることで感情の多様性を受け入れます。また、「自分は一人じゃない」「こんな人もいる」という気づきを得て、行動への活力を育むことができます。

出典:Leal Filho, W. et al. (eds) "Handbook of Climate Change Communication: Vol. 1. Theory of Climate Change Communication" (2018)

(4)解決策を議論する

最後のパートでは、参加者は全員で今後とるべきアクションについて考えます。現状の打開のためには、いうまでもなくアクションが必要です。

クライメート・フレスクでは、参加者に応じて議論のフレームなどを組み替えつつ、チームで、企業で、地域で、また個人としてよりインパクトの高いアクションの議論ができるように工夫されています。

クライメート・フレスクの特徴:なぜ成功しているの?

(1)科学的である

クライメート・フレスクで用いられる42枚のカードは、全てIPCC(Intergovernmemtal Pannel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)の報告書のデータに基づいています。IPCCは、気候変動に関する中立的かつ科学的な評価を提供する政府間組織で、数年に一度報告書をまとめています。報告書の執筆には、世界中の何百人もの科学者が参加し、数万を超える膨大な数の学術論文が検討されます。

今日、私たちの周りには気候変動に関する様々な情報が溢れており、正確な情報を選び取ることは時として困難です。クライメート・フレスクのカードで用いられてる情報は全てこのIPCCの報告書に基づいており、世界中の科学者の共通見解として認められている情報源から現状を理解することができます。

出典: IPCC "History of the IPCC" (2023)

出典:江守正多『「IPCC報告書」の信頼性は?』(2014)

(2)協働的である

クライメート・フレスクはチームビルディングの手法を取り入れています。参加者一人ひとりが知識や経験、想い、考えを共有することで、チームで「共有知」を形成します。この形態によって、参加者はインプットとアウトプットの両方を経験しながら主体的に学ぶことができます。また、チーム内で今後同じ方向を向いて行動していくための基盤となるような、共通のナラティブや価値観を形成することができます。

気候変動へのアクションを考える際によくある落とし穴は、「自分一人が行動しても…」という無力感で、結局変化が生まれなくなってしまうことです。クライメート・フレスクの協働的なプログラムでは、今後のアクションについてもみんなで考え、議論します。これによって、参加者が無力感や孤立感に陥ることを防ぎつつ、よりインパクトの大きい集団的なアクションへ誘導します。

アスエネで開催したClimate Freskの様子

(3)楽しい!

気候変動の話題は、複雑で難解な側面を含み、対立を生みやすく、人々に悲劇的で残酷な現実や未来を突きつけ、現状からの脱却を求めます。これらの要素は、時に気候変動への無関心や忌避感の原因となり、結果として必要なアクションが実行されなくなってしまっています。

クライメート・フレスクは、ワークショップを楽しんでもらうために、視覚的要素やゲーム的要素などをふんだんに組み込んでいます。ファシリテーターは参加者の興味を引くためにクイズやサイドストーリーなどを準備します。ワークショップのチームビルディング的なセッティングは、集団的な理解や共有知を育むとともに、人々を相互にエンパワーし、変革に向けてポジティブな気運をつくります。

まとめ:クライメート・フレスクを導入することのメリット

私たちが直面している気候危機においては、誰もが気候変動を理解し、情報を適切に見極め、主体性をもって自分のフィールドでできることを計画し、仲間とともに、それに向かって迅速に行動していくことが必要です。

クライメート・フレスクは、気候変動の教育や、サステナビリティ・リテラシーの養成に関して世界的に認められたワークショップであり、上記のようなステップの全てに役立つものです。科学的で協働的、そして楽しいクライメート・フレスクを導入することによって、組織は気候変動に取り組んでいくための共通の基盤を形成し、メンバーをエンパワーし、更なるステップへと前進していくことができるのです。

クライメート・フレスクの社内実施

クライメート・フレスクは、世界中の様々な企業で利用されており、あなたの会社/組織でも実施することが可能です!

具体的な例:

  • チームビルディングとして:気候変動という重要なテーマについて楽しく学びつつ、新しいつながりの構築を図る

  • 研修・セミナーとして:管理職のためのセミナーや新入社員の研修プログラムに組み込む

  • 外部への啓発イベントとして:クライアントやパートナーと共同参加のセッションを開催し、ESGの課題や機会についての議論を始める

クライメート・フレスクを社内で実施する方法や、アスエネアカデミーのサービスについての詳細情報についてのお問い合わせはこちらから

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